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いより通信 vol.110 (2014年04月号)

個人の能力に頼りきりにならない仕組みつくりを

みなさん、こんにちは。
桜が咲き誇り気持ちのよい季節となりました。
みなさん、どのようにお過ごしですか?

本日より消費税が引き上げになります。
その駆け込み需要なのか、私の周りの経営者のみなさんは
とってもお忙しそうでした。

中には年明けから働きすぎて血尿が出て入院されてしまった経営者の方もいました。
その方が朝早くから夜遅くまで、休みの日もなく従業員さんと一緒に
仕事をされていたのをよく知っていただけに、
一緒にお見舞いに行った経営者のメンバーは
「明日は我が身」と考えたことだと思います。
やはり人間は働きすぎると壊れてしまうんですよね・・

我々のような個人事業であったとしても、
お客様は私個人に仕事を依頼しているのではなく
「事務所」に対して業務の依頼をしてこられます。
「事務所」や「会社」を構えているということは、
受けた仕事をきちんとこなせる仕組みを
つくることが何よりも大切です。

経営者の健康管理は事業をやっていく上での重要課題です。
もちろん、従業員さんの健康管理も大事ですが、
法定労働時間の縛りも残業代の概念も適用されない
我々こそ、自己で労働時間管理を行わなければならないのです。

ところが、小さな会社の経営者や、大きな組織であっても、
実務ができる管理職ほど「人に教えるよりも自分がやった方が早い」ということで
仕事を抱えこむ傾向にあります。

特に我々のような創業者は、自分のやり方、
仕事のクオリティに対してのこだわりが強く
なかなかそういった「思い」まで従業員に伝えることは難しいのが現実です。

書いてもらった書類の内容の「正しい」「間違い」は指摘できるけれども、
「お客様への気遣い」や、「めざすべき仕事のクオリティ」は
伝えることも難しく言い出すとキリがないし、
それを言うこと自体がストレスだと、ある弁護士さんがおっしゃっていて
みんな同じことで悩んでるんだなぁと感じた次第です。

ただし、仕事をご依頼いただくお客様の期待に答えるための一番の方法は
常に安定したクオリティの結果をお返しすることに他ならないと考えています。
特定の個人の能力に頼ってしまった場合、
「その人がいなければ対応できない」ではダメなのです。
「特定の個人」にはもちろん経営者自身も含まれます。

今回、入院された会社の経営者は、
「ちょうど大きな仕事が一段落のときで助かった」とおっしゃっていました。
そして療養中の期間についても、一時帰宅をして社員に指示を出し、
取引先との連絡をされていました。
しかし、現実的に工場を休まずに動かすことができたのは
熟練した従業員さんたちが期日までに納品ができるように、作業を続けてくれたからです。

最近では、「急に社員が来なくなり連絡が取れなくなった」事例も続出しております。
そんなときに、任せていた作業の進捗状況がわからない、
資料がどこにあるのかわからない、では
お客様からの信頼を失うことになってしまいます。

それぞれの担当業務の見える化を進めることで、異動の際の引継ぎも容易になります。
銀行員の友人に聞いたところ、銀行員は定期的に転勤を伴う異動があるので
私生活においても荷物を持ちすぎないようにしているそうです。

高度な判断を伴う業務は別として、
ルーティンで行えるような業務については
誰が担当してもミスが起こらない、
さらに予想されるミスが発見できる仕組みをつくっていきたいですね。

さらに仕事を抱えている人ほど、それを手放すことを考えること。
自分がいなくても、誰にでも処理ができる仕組みをみなで考えていきたいですね


 

 


 

4月給与の注意事項

1)消費税引き上げにともない通勤定期代が変更になっています。
社員への確認をしてください。
尚、通勤手当変動月以降の3カ月に残業代の支払いが多くなると、
社会保険料の随時改定の対象になる場合がございます。
ご注意下さい。


2)平成26年3月分より、介護保険料率が変更になっています。
翌月給料で保険料の徴収をしている場合は
4月分給料からの控除額が変更になります。


■協会けんぽ 平成26年3月からの新保険料率はコチラ

 

3)平成26年度の雇用保険料率は前年と変更ありません。

■厚生労働省 平成26年4月からの雇用保険料率はコチラ

今月の気づき

2月27日に発売となりました、7冊目の新刊の売れ行きが好調です!
アマゾンや書店でお買い求めいただきましたみなさんが
フェイスブックやご自身のブログでご紹介をくださり
3月は20日間くらいは、アマゾン人事労務部門1位の状況で
現在も継続中で1位です。

新刊をお読みいただいた新規のお客様2社からコンサルティングの
ご依頼をいただきました。
これまでの本で最速のご依頼です。

私のところにご依頼をいただくお客様は、決して本のタイトルだけをご覧になって
会社側だけがトクをするような仕組みをつくりたい、と考えておられるわけではありません。

むしろ、従業員さんが働きやすい環境をつくるために何をすべきか日々心を砕いておられて
しかし、労働法等のルールが煩雑でわかりにくいので、何が何がダメなのか
会社の立場に立ってハッキリ言ってくれるアドバイザーを求めておられるのかなと
感じています。

新しいお客様にも対応をさせていただき、従来からご契約をいただいているお客様にも
きちんとした仕事をさせていただくために、
さらに、本文で書きました私の健康リスクにも対応するために
さらにスタッフを増員することに決めました。

私は事務所の規模を大きくするつもりはなく、
昨年後半からは、私+補助スタッフで運営をしていましたが
夏以降、日曜日もほどんど休めない状況で仕事をしているにも関わらず
業務の行き届かないところも多くあり、お客様にもご迷惑をおかけしていると
感じています。

そこで、ここ4年くらいの体制であった、私がコンサル業務をし、
手続き業務は、お任せできる経験者の方にお願いする、という
二頭だて体制に戻したいと考えています。

事務所の業務がうまく回るようになれば、
手続き業務のスタッフの方にもコンサル業務のお手伝いも
してもらえるとよいなーと考えています。

今回は、社労士業務の経験者を対象に求人をします。
それに加えて、現状に甘んじず、常に成長をしたいと考えて、
具体的に何かにトライをしている人が来てくれたらよいなぁと思っています。

欠員補充の求人ではないのでじっくり面接等をさせていただく予定です。
私が倒れてお客様にご迷惑をおかけすることがないように
あと・・日曜日は休めるように(笑) 
新年度は新しい組織つくりに取り組みたいと思います。
 

 




 

(2014年04月発行)

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