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いより通信 vol.220 (2023年06月号)

職場で「挨拶」できていますか?

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。

ゴールデンウィークも終わり
1ヶ月もすれば、2023年も折り返し地点です。
バタバタしているうちに今年も1年が過ぎそうです。

昨年4月から中小企業についても、会社内で
パワーハラスメント防止の対策をとることが
義務付けられました。
 

昨年以降、小さな規模の会社様においても
ハラスメント防止研修の実施のご依頼を
多くいただいております。

また、すでに以前により積極的に
ハラスメント対策を進めてこられた会社様からは
ハラスメント相談室に持ち込まれた
事例に対する見解を求められることが多くあります。

裁判になってしまうような、ひどいハラスメントではなく
言葉の行き違いであったり、小さなことの積み重ねが
部下の立場かからはストレスとなっていると感じられる
事例も多いように感じます。

そうした中で、「挨拶」の重要性を
研修でも繰り返し伝えています。

「挨拶」でハラスメントになるのか?と
きょとんとされるケースも多いのですが、
ハラスメントをされていると感じる方が
相手に対する不信感をいだく最初の一歩が
挨拶なんです。

「上司はこちらから挨拶しても、パソコンの画面から
目を離さず、無視される(きちんと返ってこない)」
「常に声をかけるのは自分からで、
上司からねぎらいのことばや
どうだった?と聞いてもらったことがない」

「自分の存在は上司から無視されている。
適切な指導をうけていないと感じる。
パワーハラスメントの類型としてあげられている
「人間関係からの疎外」に該当する」などの
主張につながることとなります。

相手方の上司からすると、厳しいことばも
投げていないし、「寝耳に水」のような
反応があるようですが
チームで仕事をしていく中で
相手の存在を認めていることを明らかにすることが
大切です。

「こんなことは言わなくともわかるだろう」
「自分が若いときはときは、上司からは背中をみて
学べと言われた」
などは、通用しないと考えた方がよいでしょう。

反面、細かく口出しをするのも差し控えた方がよいですが
少なくとも「自分はあなたのことを見ている」
(から何かあればいつでもサポートする)を伝える第一歩が
挨拶なんです。

小さな会社では上下関係というより、
横のつながりでしょく職場の人間関係からの疎外を
訴える方もおられます。
そうした場合も、「挨拶」や 相手の話をきちんときいて
適切な返事をしているかがポイントになります。

簡単なこと、当たり前のことですが
本当に自分ができているか
(自分のことだけに一所懸命になって周りに対する
気配りを欠いていないか)ぜひ振りかえって考えてみてくださいね。

 

6月給与の注意事項

1)年度更新および算定基礎届の提出準備をしましょう。
年度更新について、昨年10月1日以降、と今年4月1日以降と2段階で雇用保険料率が改定になっており
若干計算が煩雑になっています。

厚生労働省 令和5年度労働保険年度更新

 

今月の気づき

4月から放映されているドラマ『私のお嫁くん』というドラマを
最近、見始めました。

仕事ができて、清潔感がある美しい女性営業マンが
実は家事がまったくできず、一人暮らしの部屋は「汚部屋」で
ご本人曰く、清潔「感」は、あくまでも「感じ」であり、現実がどうかは別とのこと。

たまたま、彼女の「汚部屋」の様子を知ってしまった
彼女の部下である家事万能の若手男性営業マン。
彼を「お嫁くん」として、ルームシェアが始まり
「お嫁くん」の存在が、女子の生活クオリティを上げていくという話です。

先日、NHKで放映していた『大奥』といい
これまでの男女の役割を逆転させた設定のドラマが
流行りなんでしょうか。

しかし、立場を逆転させると、いずれか片方だけが決まった役割をこなすことによる
問題点がより明確化されるような気がします。
さらに本人がその決まった役割を完璧にこなそうとすればするほど
(相手方からの強要ではなく自分がこうあるべきと考える設定が高すぎると)
自分だけではなく、相手も疲弊させてしまうことなどが
わかりやすく描かれていて納得することが多いです。

ドラマでは、女性にお味噌汁をほめられた「お嫁くん」が
朝4時に起きて鰹節を削っている場面が描かれており
それに気づいた女性の方が、「そこまでやってくれなくてよい。
貴方自身も仕事をしてるんだから」と伝える場面など
会社での部下との関係の中でも、応用できると感じました。

がんばりは認めながらも、無理を重ねると
人間は壊れてしまいます。
すべて全力ではなくではなく、手を抜くところは抜く
強弱をしっかり見極めて伝えることができればと感じました。

ちなみに、私も疲れすぎると、帰宅後「洋服を脱ぎっぱなし」で放置とか
やってしまう方です。ドラマを見始めてからは「お嫁くんに叱られる」かどうかの
視点をもって、自分の行動を改めている次第です。
(事務所の机の上は、見た人すべてに呆れかえられる状態のままですが)

生活習慣の改善は、仕事のクオリティにもつながります。
やるべきことをやるべきタイミングにひとつずつこなしていくことで
仕事も生活も整うと感じました。

(2023年06月発行)

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