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いより通信 vol.133 (2016年03月号)

人として相手を大事にする

みなさん、こんにちは。
あっという間に3月になりビックリしています。
こないだ新年を迎えたばかりだと思っていたのに
月日が経つの早いですね。

さて、先日、私が社会保険労務士として独立して
初めてのお客様となった会社の創業者がお亡くなりになりました。
お通夜と告別式に参列させていただいたのですが
両日とも広い会場の椅子が足らないくらいの参列者が
来られていて、供花も会場に収まりきらないくらいの数があり
たくさんの方に慕われていたんだなと感じました。

さらに私が一番感心したことは、社員の方たちの動きです。
皆がそれぞれ、まるで家族の葬儀のように動き
参列者に対応している姿に心を打たれました。

亡くなられた会長は「ザ・創業者」という感じの
男気がある方で、会社では社員の方が怒鳴られている場面にも
何度も遭遇しましたが、怒鳴るだけでなく
「どうや」声がけを常にされていて
ちょっとしたことでも「ありがとう」と言われる方でした。

リーマンショック後に、軒並み他社が賞与の支給額を
引き下げた中で、こちらでは「社員も生活があるから」と
前年維持で支給をされたことがすごく印象に残っています。

私はこれまで「従業員は家族だ」という経営者の言葉には
懐疑的でした。
その心の中には「家族なんだから会社が苦しいときは無理を言うなよ」など
どちらかと言うと経営者の甘えのために「家族だ」と言っているような
気がしたからです。

しかし、こちらの会長は自分は経営者というポジションで
従業員さんを包み込んでおられたように感じます。
単に「労働契約」を結んでいるだけではなく
縁あって一緒に仕事をすることになった、
自分のところに来てくれたからには
人として従業員と向き合い、大切にする、
という気持ちが従業員さんにも伝わっていたと思います。

こちらの会社は離職率が低く、小さな会社ですが定年まで勤める人
定年を超えても仕事をする人など、安定感抜群です。

人の出入りが少ないと、安心して新しい社員を育てることもできますし
会社がざわざわしていない感じで、我々も気持ちよく仕事をさせてもらえます。

小さな会社では、経営者の人柄と心意気、さらには
従業員と同じレベルで物事を考えて目先のことで一喜一憂するのではなく
経営者としての矜持を持った生き方をすることが安定した経営のためには
必要なのかなって感じました。

人として相手を大事にすること
これから心に刻んで、会長がご覧になれなかったこれからの
世の中をしっかりみて、いつかあちらの世界でまたお酒を酌み交わし
そこでも経営の聞かせてもらいたいです。


 

3月給与の注意事項

1)3月から健康保険料・介護保険料が変更になっています。

協会けんぽ平成28年度保険料額表

今月の気づき

昨年10月から通っていた大阪大学法学部の科目等履修生生活が
2月上旬に終わりました。

労働法と社会保障法の講義を取っていて
月曜日と水曜日と週2回一限の講義(8時50分から)でしたので
朝5時に起きて息子のお弁当をつくり、約1時間半をかけて
大学に通う日々でした。
(火曜日晩の飲み会は全てお断りしてました・笑)

私は文学部の出身なので、法学部の講義を受けるのは初めてでした。
関西大学では大学院だったので、講義形式ではなく
受講者が課題発表をするスタイルが大半でしたし
大学院は少人数なので、教授との距離が近く
わからないことや疑問点があればその場で質問ができ
双方向な感じでしたが、大学の講義は一方的に講義を聴くだけなので
それだけ若干物足りなかったです。
(労働法では、ぼーっとしていると突然名指しで当てられたりしましたが・笑)

しかし、阪大生ってすごいなと思ったのは
労働法や社会保障法を実務でどう運用されているのかを
知らない状態でで法律だけ勉強できることです。
3回生からが受講対象でしたので、21歳の学生さんが
あの内容を理解できることにビックリしました。

私の方は逆に実務先行で知識を得ていたので
法律としての扱いや、点と点でバラバラだった知識が
実は関連性があることがわかったり
知識がゼロではないからこそ、わかったことがたくさんありました。

最後は試験があって、実に約30年ぶりに試験勉強をして
試験を受けました。
普段、わからないことはインターネットや六法など常に何かで調べているのに
試験は、自分の頭に入っていることだけで対応しないとダメですので
知恵熱が出そうでしたが(笑) 試験が終わったあと、かなり爽快でした。
ボケ防止によさそうです(笑)

ともあれ、とてもよい経験でした。
4月から大学院に戻る予定にしていますが
時間が許す限り学部の講義も受講してみたいと考えています。
民法もしっかり勉強してみたいですし。

そんなに勉強してどないするの?と言われることも多々ありますが
すいません、勉強が好きなのです。
まなぶことで、自分の知識が整理され(年を取ると新しいことを学ぶというより
頭の中に既にあるものが関連ずけられ整理がされていくイメージです)
見えなかったものが見えたときのスッキリ感がクセになるんです。

聴講生であれば、気軽にどなたでも受講することができると思います。
まだこの時期でも春からの聴講生が間に合う大学もあります。
大学のホームページで「生涯学習」のところで情報を得てみてくださいね。
費用も半期で3万円程度(一科目)ですし、ぜひ。

 

(2016年03月発行)

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