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いより通信 vol.101 (2013年07月号)

「思い込み」の判断が危険

みなさん、こんにちは。社労士の井寄です。
早いもので、2013年も前半戦が終了し後半戦に突入しました。
時間が経つのが早いですね。

私は4月から大学院に通っていることもあり、毎日毎日が
よく言えば「充実」していますし、普通語では「いっぱいいっぱいで大変」です。

インターネットやOA機器の普及により、昔より情報収集や文書作成などが
容易になったと考えられますが、知らなくてもよい情報までどんどん入ってきて
対応に追われて大変、という一面もあります。

忙しくしている中で、何か判断を迫られる状況になったときに
お客様である経営者や人事担当者が「これくらいは大丈夫だろう」と思って
やってしまったことが、後になって大きな事件となり、
対応に追われるという事例が最近頻発しております。

我々社労士とご契約してくださっている会社は、社員との間に
余計なトラブルを抱えたくない、労働基準監督署や年金事務所などの
行政官庁から指導を受けたくないと考えておられるところがほとんどです。

労働条件の決定や変更の決断をするときに、大きな変更であれば
ご相談をいただくのですが、どうしてもご相談をいただくと、
「万が一、トラブルになることがあってはいけないので、
経過措置を取りましょう、事前にシミュレーションをしましょう」など、
早急な導入を思い留まらせることを申し上げることが多いからか、
早めの決断をし、行動に移したい場合に、ご相談なしで決断をされることがあります。

我々のところに事後に相談がやってくるのは、「トラブルになってしまったとき」に
限られるので、おそらく、日々下される多くの決断の中で、
そのままやってしまって大丈夫だったことが多数なんだと思います。

しかし10のうち一つでもトラブルになってしまうと、処理に時間とお金がかかり、
さらに解決まで精神的ストレスを抱えてしまうことになります。

処理すべき業務が多い中で何もかも立ち止まって検証することは
不可能かもしれません。しかし、よくよく聞いてみると、
「これは少しヤバイかと思っていた」と言われることが多くあります。
日々決断をしていく中で、経験則として危険を察知する能力も備えられると考えられます。

「ヤバイかな」と思ったときに、時間がない、手間を惜しい、という理由だけで、
突き進んでしまうのは避けたいですね。

そうそう、私事ですが、数ヶ月前に、見通しのよく、交通量が少ない幹線道路を
昼間に運転していて信号無視で違反切符を切られてしまうという事件がありました。

前の車が交差点に進入したときに「黄色」になっているのに
気付いていたのですが、「まぁ大丈夫だろう」と思って、ついていったところ
たまたま 側道にパトカーがいて、すぐに捕まってしまった次第です。

「いやぁ あのタイミングで捕まえてたら、交差点を通過する車の8割は
捕まえやなアカンで」というくらいの際どさだったのですが、×は×ということで、
罰金の支払いだけではなく、次回更新のときには、
もうゴールド免許ではなくなってしまうことが決定しました。

私の場合、幸い事故には至らなかったので、自分だけの痛みで済みましたが
会社の対応ミスとなると、何か間違えた手続をやってしまったことで
従業員さんに被害が及ぶなどもあります。

また対従業員さんとのトラブルとなると、司法の場に争いが持ち込まれることもあり
「思い込み」で「これくらい大丈夫だろう」と思ってやってしまったことが
とんでもない展開になってしまうこともありえるのです。

中小企業の経営は、「黄信号」でも止まらずに前に進むことも多いかと思いますが
交差点を通過する(決断をする)ときに、「赤信号」になっていないかどうか
心の中で再確認をして進むようにしたいですね。いや、もちろん自戒も込めてです(笑)

 






 

7月給与の注意事項

1.労働保険年度更新、算定基礎届の提出および、労働保険料の納付、特例納付にしている源泉所得税の納付期限は7月10日です。

2.賞与の支払いがある会社は、賞与支払い届の提出もお忘れなく。

今月の気づき

6月末は勤め人の主人の賞与支給日でした。
自分が人を雇う立場になると、この季節はドキドキします(笑)

今年は景気が回復して業績が上向きの会社さんも多いようなのですが
昨年までは、よく顧問先の経営者に「みんな賞与ってどうしてるの?
新聞やテレビで「夏期賞与は平均●か月」という報道を見ると胸が痛むんだけど
みんな、あんなに支払ってるの?」と言われることも多くありました。

賞与は会社によって基準がまちまちです。
そもそも「賞与」がない会社もあります。
その代わりに、毎月の給料設定を若干他社よりも高くしているのです。

ですので、私は他社の状況や新聞報道に惑わされることなく
自社で出せる分(設備投資など人件費以外のことも踏まえた上で)を
出せばよいのではと考えています。

会社が苦しいときは足かせのように感じるかもしれませんが
出せないときには「今年は出せない」とハッキリ言えばよいことですし
「今年は出せない」というためには、「出せるときにきちんと出す」ということが
社員さんとの信頼関係構築につながるのではないでしょうか。

我々社労士は賞与支払い届の作成があるので、顧問先のお客様の賞与の状況の
推移を見ると、業績の浮き沈みがハッキリ見えます。
今年は賞与を払いたくてウズウズしている会社さんが多いようで、よかったなと思う次第です。

しかし、消費税、住民税、労働保険料、源泉所得税の支払いと
毎月何か支払いに追われているような気がするのは気のせいでしょうか・・・
源泉所得税の支払いに至っては社員さんから預かっているお金に過ぎないのに・・(笑)
経営をするということは「支払い」との戦いだと感じる次第です。がんばります!

(2013年07月発行)

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