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いより通信 vol.85 (2012年03月号)

社員の育成は経営者の器量次第

みなさん、こんにちは。
3月に入り、少しずつですが春の足音が聞こえてきました。
私が住む大阪では日差しはもう冬のものではありません。

さて、今、私が夢中になって読んでいる本があります。
先月、東京で食通の経営者の方たちと会食をしているときに
話題に上った本です。

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『みをつくし料理帖』(高田 郁:角川春樹事務所)という本で
主人公は大阪で生まれ育った女料理人の澪。
水害で孤児になったときに助けてもらった女将の料亭で
仕事をしていたのですが、大阪のお店を火事で焼失し
江戸に店を出していた若旦那を頼って、女将と一緒に上京するも
江戸の店は人手に渡り、若旦那も行方知れず。
店の再興をめざして江戸に留まり女将と若旦那を捜すことにします。

澪は女将と生活していくために江戸の料理屋さんで仕事をします。
江戸と上方の味覚の違いや食材の違いにとまどいながらも
お客様に喜んでもらえる料理をつくりだしていく澪。

その澪の姿にも感動するのですが
女将の言動が、スッキリ筋が通っていて気持ちがよいのです。

女将がよく口にする言葉に
「料理は料理人の器量次第」というものがあります。

味付けや切り方・素材の選び方などの小手先のテクニックではなく
人としてどんな考え方を持って生きているのかが大切であり
人として卑しい考えを持っている人には、よい料理は作れないということです。

私が敬愛している稲盛和夫さんの『生き方』にも、
まずは人としての生き方の大切さを説かれています。

私のところに相談に来られるお客様は中小企業がほとんどです。
中小企業といっても従業員数20名から50名の会社なので
「小企業」の分類に入ります。

そういった会社の労働条件が労働基準法をすべてクリアしているか、というと
大なり小なり、ここは少しマズイかな・・・というところがあるのが現状です。

しかし、社員が活き活きと仕事をし、トラブルなんてほとんどない会社と
次から次へとトラブルが発生する会社があり、その違いは何なのかが
ずっと疑問でした。

たまたま、トラブルメーカーの社員を採用してしまった、ということはあります。
しかし、次から次へと問題が起こるとなると、それは「たまたま」ではなく
「必然」ではないのか、と考えてしまいます。

トラブルが多発する原因がすべて経営者の人となり、だとは言いません。
しかし他人のせいにしたり、環境を嘆く前に、
まず自らの人としての姿勢を見直してみてはいかがでしょうか。

経営者だって人間です。
つらいこと、悲しいこともあるでしょうし
好きな人、嫌いな人もいるでしょう。

しかし人の上に立つという道を選択した限りは
常に己を律し、広い視野で物事を見ることが求められると思います。

前出の『みをつくし料理帖』に登場する女将は、
主人公が働く料理屋の奉公人としてお運びをするのですが、
環境が変わっても彼女は人の上に立つ女将としての気配りを発揮します。
人として筋を通して生きるってこういうことなんだなぁと感銘を受けますので
ご興味あればぜひご一読いただければ幸いです。



 

3月給与の注意事項

1.今月から健康保険料率および介護保険料率が変更になっています。
詳しくは協会けんぽのホームページでご確認ください。

2.4月1日から労災保険料率および雇用保険料率も変更になります。

 *平成24年度の労災保険料率はこちら
 
*平成24年度の雇用保険料率はこちら

今月の気づき

今年は2月に娘の高校入試がありましたので、年末から厳戒態勢で
出張も自粛し、とにかく彼女が安心して勉強ができ、そして健康を保てるように
私なりに配慮をしながら仕事を進めて参りました。

おかげさまで無事志望校への進学が決まり
その後、怒濤の勢いで3月から6月の予定がどんどん埋まっていっております。

6月発売予定の単行本の原稿もそろそろお尻に火がついてきました。
コツコツ少しずつ、というのが性格上できないため
やると決めたときに一気にやってしまう方が自分には合っているようです。

本を書くときに一番気をつけていることは
「誰にどうなって欲しい、もしくは誰のどんな悩みを解決する本なのか」を
常に念頭に置くということです。

それがぶれてしまうと、単に自分の知識の発表資料になってしまいます。
お金を出して本を買ってくださるのは読者の方です。
お金を出してくれる人にメリットがあるものを提供するのは著者として当たり前のことなのです。

「本を書いてみたい」という相談をよく受けます。
その際99%の人が「自分はこんなことが書ける」と自分本位のアピールをしてこられます。
もう一歩踏み込んで、「こういう困り事がある人に、自分の知識をこう伝えることで
その人の困り事を解決することができる」と考えられるようになることがまず先決です。

そういう私自身もまだまだ著者としては未熟で毎回反省ばかりです。
次の本は1年ぶりの新刊になります。
読者の方に喜んでいただけるよう自分の力を出し切りたいと思いますので
応援をお願いします。

 

(2012年03月発行)

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