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いより通信 vol.200 (2021年10月号)

2022年以降の人事労務関連改正法情報

みなさん、こんにちは!
社労士の井寄です。

緊急事態宣言がやっと解除になりました。
とは言え、感染リスクが0になったわけではないため
個人的には引き続き自粛を続けたいと考えています。

さて、来年に向けて人事労務関連の法改正が続きます。
対応の準備をはじめる必要がありますので
私基準で抑えておきたいポイントをご説明します。


3つの大きな改正として
①中小企業に対するパワハラ防止措置の義務付け(2022年4月1日)
②育児介護休業法の改正(2022年4月1日、10月1日)
③短時間労働者への社会保険適用拡大(2022年10月1日)
があります。
それらを中心にご説明します。

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①中小企業に対するパワハラ防止措置の義務付(2022年4月1日施行)

中小企業のみなさんの関心が最も高いのが
2022年4月1日施行の
パワーハラスメントの防止措置の義務付けです。

会社がやるべき防止措置とは
・事業主による「ハラスメント防止に取り組む」ことの従業員への意思表示
・「ハラスメント」を防止するために、社内で研修等を実施する
・「ハラスメント」をしてはならないことを就業規則等に明記し
「ハラスメント」があった場合は懲戒処分に該当することを示す
・相談・苦情処理窓口を設置し、「ハラスメント」が発生した場合は
迅速かつ適切な処理を行う。

などが示されています。

既に、従業員側の関心が高まっており、相談が上がってきている会社もあり
来年の法施行前に、管理職や一般従業員向けの研修の実施したいという
ご要望をいただいています。

中小企業では相談窓口となる担当者の育成も急務であり
こちらについては、都道府県労働局等が主催の研修等を
活用されているようです。

まずは何をすべきかを確認した上で、準備をすすめてください。

参考資料)厚生労働省 「職場のハラスメント対策」
 

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②育児・介護休業法の改正

2022年4月1日より、育児休業をしやすい雇用環境整備が全企業に義務付けられます。
具体的には
・妊娠・出産・育児等に関連する制度利用等に関する相談窓口の設置
・妊娠・出産(配偶者も含む)の連絡を受けた際に個別に制度説明をする義務あり
等です。

企業内の人事担当者は
ハラスメント相談に対する対応マニュアルの整備のほか
妊娠・出産・育児に関する制度についての正しい法知識を持ち
相談対応や該当者への説明マニュアルの整備が必要になります。

育児休業法については2022年10月1日施行で大きな改正が予定されています。

〇配偶者の出産後8週間以内に4週間までの「出生時育児休業」の取得が可能に
〇育児休業の分割取得が可能に

上記に伴い
〇育児休業期間中の社会保険料免除のルール変更
〇育児休業給付の取り扱いの変更(分割取得に対応)
になります。

参考)厚生労働省 育児休業法改正

 

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③短時間労働者(週20時間以上勤務者)に対する社会保険の適用拡大(2022年10月1日より)

社会保険被保険者数(短時間労働者を除く)101名以上の企業について、
2022年10月1日より、
〇週20時間以上の勤務
〇賃金月額 88,000円以上
〇1年以上の雇用の見込み
〇学生以外
の4つの要件をみたす短時間労働者について社会保険の加入義務が生じます。

「社会保険に加入せずに働きたい」という短時間労働者については
労働者と合意の上でシフトを調整する等が必要になります。

参考)日本年金機構 短時間労働者適用拡大


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その他の主な改正事項としては

1月1日 傷病手当金の支給限度期間のカウント方法の変更(通算で1年6か月まで受給可能に)
4月1日 一般事業主行動計画の策定・公表義務(従業員数101名以上の企業)
4月1日 正規雇用労働者の中途採用率の公表義務(従業員数301名以上の企業)
4月1日 60歳~64歳の在職老齢年金の支給停止開始基準額(月額:年金+給与)が
    28万円から47万円に引き上げ

等々があります。

こちらでは詳細までには触れておりませんので、詳しい情報を知りたい場合は
キーワードを入れて検索してみてください。

我々社労士はまた忙しくなりそうです。


 

10月給与の注意事項

1)算定基礎届の結果を反映させた標準報酬月額で10月の社会保険料を控除してください。(社会保険料翌月徴収の会社の場合)

2)今月から地域別最低賃金が改定になります。ご注意ください。
参考)厚生労働省 令和3年度 地域別最低賃金

3)年末調整の準備を始めましょう。本年度の中途入社の方には前職分の源泉徴収票を準備してもらいましょう。
参考)国税庁 令和3年分 年末調整のしかた

 

 

今月の気づき

あっと言う間に2021年が終わりそうです。
昨年と異なり、出歩かないことに慣れてしまい
逆に「出歩かないとこんなに時間ができるんだ」と感動しています。

ありがたいことに次から次から次へと仕事がやってくるのですが
長期間未処理で積んでおくことがほとんどなくなりました。

今の時間の使い方ができる前提で色々と仕事を受けているため
以前のように週2回以上の食事会があったり
週の半分は客先や大学、研修受講などで出歩くとなると
処理が追い付かなくなりそうです。

冒頭にも書きましたが、緊急事態宣言は解除になりましたが
論文を書き進めるミッションもありますし
年内は大きく今の生活を変える予定はありません。

月に1?2回 気のあう仲間とお食事に行くことができれば
十分だと考えています。

引き続き自分主導で時間を使いたいと思います。

(2021年10月発行)

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