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いより通信 vol.196 (2021年06月号)

ハラスメント防止のためにやるべきこと

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。

私の住む大阪は史上最早で梅雨入り宣言がなされたのですが
先週末から気持ちのよい天気が続いています。
ビルの谷間からでも、青い空を見ていると元気になれますね。

運動不足解消のために、事務所の周りを散歩していますが
外を歩くのって気持ちがいいなと思います。
あとは・・一人で歩くのではなく、友人と連れ立って
歩いたり、お茶をしたり、食事やお酒を楽しめる時間を
1日も早く取り戻ずことができたらいいのに、と感じています。

ひとりも自由で気楽で、どちらかと言うと好きですが
単に他人に自分の行動を規制されたくないだけだと思います。
緊急事態宣言が解消されても、ひとりで行動してるかもしれません。
いずれにせよ、大学院の論文があるため、引きこもる必要がありますので・・・(苦笑)

さて、昨年からのコロナ云々でうやむやになっている感じが否めませんが
昨年6月1日から大企業を対象として、会社に対しパワハラ防止の措置を執ることを
義務づける法律(労働施策推進法)が施行になっています。
来年4月1日からは中小企業を含めて全面適用になります。

みなさん、ご準備はお済みでしょうか。
これまでもセクハラ・マタハラ防止のための措置義務がありましたので
ざっくりいうと同じ形の措置ですので、セクハラ・マタハラ防止措置に
パワハラ防止措置を加えるという形になります。

やるべきことは以下です。
①防止に対する取り組みをする事業主の意志表示
②ハラスメント防止の啓蒙・社員教育・研修の実施
③相談窓口の設置
④相談があった場合は、従業員のプライバシーに配慮した迅速な対応
⑤行為者に対する適切な対応(就業規則の懲戒処分等)
 

*詳細は厚生労働省が示すガイドラインにあります。

ハラスメントが職場であることで、
①優秀な社員の離職
②メンタル疾患罹患による休職者の増加
③就活サイト等に書き込まれ人材確保が困難になったり
レピュテーションリスクを負う
という会社にとって困ったことが起こります。

また、何より、ハラスメントは、他人の人格を踏みにじる行為であること
(人としてややってはいけないこと)であることを
共有する必要があります。

私も昭和人間ですので、色々相談を受けていて
「こんなこと、昔は普通にあったよね」と思うことが多々あります。
ただ、時代の流れとともに求められる「モラル」が高度化しています。

個人的な考えですが、昔は厳しいことも言われましたが
それをフォローしてくれる人がいたり
厳しいことを言う人自身(多くは上司)が、
別の場面で温情を見せてくれたりしました。

最終的には「あれは私のことを思って言ってくれた」と
思えることが大半であったように思います。

ただ、今は、裁判になっているような事案を見ていると
そうしたフォローであったりで温情もなく
そもそも指導の目的が相手の成長を望むものでもなく、
ただただ自分の考えを一方的に押し付ける
(自分自身の保身のために)という事案も見受けられます。

私が会社員だった時代は新卒採用のみで、
皆が同じ会社で社会人としての時間を過ごしたことで
会社の中の価値観の共有がしやすかったのかもしれません。

また、定年まで長く働くことが前提ですので、
揉め事を起こしたくない、という気持ちもあったのでしょう。

今は、様々な会社を経験した人が集まる職場が多く
雇用形態も様々な中、「相手の成長を願う」よりも
目の前の仕事をこなすことに皆が集中せざるを得ない状況
誰もが気持ちの余裕がない時代なのかもしれません。

あ・・年寄チックに「昔はよかった話」をしてしまいましたが
ともあれ、部下を持つみなさんは、昔の記憶は一旦忘れて
よりセンシティブに部下に気遣うこと、自分の言動が
それでよいのか日々振り返ってみてください。

逆に部下の立場の人は、「きびしいことを言われたら
ハラスメント」とすぐに思うのではなく
なぜ相手がそのようなことを言うのか
真意を考えてみてください。

今、できれば叱りたくないと思っている人の方が
増えている中で、あえて厳しいことを言ってくるのは
ハラスメント規制について興味のない人か
それでもなお、必要と思って口にする人かです。

相手のことを思って言ったことであっても
受け取った方が傷つくこともあります。
言われて辛いと思ったときは、周りの人に
相談をしてみてください。
自分だけで抱えていても問題は解決しません。
自分の心が病んでしまう可能性もあります。

長くなりましたが、会社の方は、ハラスメント防止について
関心をもって、少なくとも社内研修を行い、
何がハラスメントにあたるのか、社内で意識共有をすることが
必須になります。

起こってからの対策では、社員の誰かが犠牲になってしまいます。
起こる前の予防が大切です。
(厚労省が示すガイドラインも主として予防措置を講じることが書かれています)


ハラスメント防止研修もお仕事にしていることを最後に付け加えておきます。


 

 

 

6月給与の注意事項

1)労働保険の年度更新の時期です。今年は例年通りの期限です。(7月12日)
新型コロナウイルス感染症の影響等で納付が困難な場合、申出により納付猶予を受けることも可能です。

2)6月給与の支払いが終わったら、算定基礎届の提出準備をしましょう

今月の気づき

大学院の博士課程の在籍が今年で6年目となりました。
できたら論文を提出して修了したいと考えており
コツコツ進めています。

ただ、仕事もありますし、修士課程のときと大きく違うことは
「加齢」です(苦笑)
論文を書くには、先行研究を引用し、自分の論拠を明確にして
書き進める必要があるのですが、「これ、どこに書いてたかな?」と
探すのだけで時間がかなり取られています。

資料を電子データ化して検索すればきっとすぐに見つかるんでしょうね・・

さらに、目が見えなくなっていることがさらに困難さを増しています。
ただ、3年前にリーディンググラスを初めて買ってから
しばらく見えないことが不自由だったんですが、最近は見えないことに
慣れてきて、眼鏡なしでも見える(いや、見えている気がする?)ように
なっています。


人間、あきらめたらそこで終わり。
自分はできるとおもいこんで、前に進みたいと思います。
来年の3月に「なんとか無事修了しました!」とこちらで報告ができるように
がんばります。

 

(2021年06月発行)

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