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いより通信 vol.195 (2021年05月号)

試用期間の活用について

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。
ゴールデンウィークの真っ只中、
みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

さて、新入社員が入社して1か月が経過しました。
昨年は、入社したときからリモートで研修、という話を
よく聞きましたが、今年は原則出勤とされている会社が
多いように感じます。

フルリモートを原則としている会社は別ですが、
出勤とテレワークをを混在させている会社では
そのような傾向にあるようです。

理由として、新入社員が会社になじむのに時間がかかったことと、
研修からOJTへの移行(配属先の決定も含め)が難しかったこと、
上司や周りの人が新入社員の名前と顔を覚えられなかったこと、等々が
あげられているように感じます。

私が通う大学も今年は原則対面講義です。
昨年1年の大半がメディア講義で、教育の現場として
知識の習得のみならず、人間関係の構築等
大学という場所を使って通常得ることができるものを
昨年の新入生はできていなかったことを重く考えているようでした。
 

企業の場合は、職種や教育方針、企業風土等
それぞれの事情があると考えます。
出社がよいのかリモートがよいのか会社ごとに判断することです。
もちろん出社を促す場合は、感染予防対策を万全にしておく必要があります。
 

さて、試用期間は、教育訓練の他、新入社員の素養等を確認する場となります。
能力を発揮してもらえるように、会社の空気になじんでもらう期間でもあります。
もし、何か不都合なことがあれば、丁寧に具体的にあるべき姿を伝える必要があります。

昨今、ハラスメント問題が大きく取り上げられるため、
どこまで注意・指導をすればよいのか悩まれる方も多いかもしれません。
注意する方も感情がありますので、同じことを何度も・・となると
内心「ムカッ」となることもあるでしょう。

しかし、感情を押し殺して、「無駄な一言は言わない」を心がけるとよいでしょう。
初歩的なことは、立場が離れた人からよりも、例えば昨年入社した社員など
立場が近い人に指導をしてもらうことも一つの方法かもしれません。

ともあれ、躊躇なく「本採用」とできるように、仕事の具体的な能力というより
対応の仕方を確認するようにしましょう。具体的には
「話を聞くことができるか」「わからないことはわからないと言えるか」
「ありがとう、ごめんなさいを素直に言えるか」などです。

さらに一番確認すべきは、勤怠状況です。今後、長く一緒に働くにあたり
身体も精神も健康であるのか要確認しましょう。

試用期間を終えても、どうしても本採用に踏み切れない場合
(「どうしても」のケースに限られます)
試用期間の延長も視野に入れるべきでしょう。

なお、スペシャリストとして即戦力として採用した中途採用者についても
念のため試用期間を設けることを強くお勧めします。

リモートワークが主流になったことで、図らずしも個人ごとの成果が
炙り出される状況になってしまい、
対応に困っている会社様のお話もよく耳にします。

試用期間を漫然と過ごすのではなく、後々困らないように
しっかり適性を見極める期間として利用するようにしましょう。

5月給与の注意事項

1)労働保険料年度更新の準備をしましょう。休業手当は「賃金」に含めて計算する必要があります。

参考:和歌山労働局 労働保険の算定基礎となる賃金早見表
注)早見表にある「休業補償」とは、業務上災害に対して労災保険制度からではなく、
使用者が労基法による災害補償を行った場合に支払うものとなります。
新型コロナの影響で、労働者の休業に対して支払ったものは「休業手当」となります。

 

2)新型コロナの影響で休業をして、報酬額が著しく下がった場合、厚生年金保険、健康保険の等級の引き下げをし、
社会保険料の負担を軽減できる場合があります。対象は令和2年8月から令和3年7月です。

参考:日本年金機構 新型コロナウイルスの影響による標準報酬月額の特例改定


 

 

 

今月の気づき

今年もコロナ禍のゴールデンウィークになりました。
元々、ゴールデンウィークは大学院の論文執筆に充てる予定で
事務所に引きこもるつもりでしたので、心理的なダメージはほとんどありません。

しかし、通常時であれば休日も営業している大型商業施設の店舗がお休みになるため
ゴールデンウィーク中のランチ難民は必須です。
飲食店のありがたみをひしひしと感じる、この1年でした。

昨年の今頃は、雇用調整助成金の内容が目まぐるしく変わり
社会保険料の特例改定など、どんどん新しい措置が発表されて
大変でしたが、今年は、その対応がないだけでも心理的負担が軽いと感じました。

1日も早く落ち着いてくれたらよいと思いつつ、ワクチンが行き届くまで
この状況が続く覚悟で、まずは自分自身の健康管理に気をつけて
こんな時期でもできる気分転換をしながら乗り切りたいと思います。

ちなみに私の気分転換は散歩の途中でカフェでコーヒーを買って
外で飲むことです。
広い空を見ていると気持ちが晴れます。

国の政策が悪いとか、オリンピックがどうとか
マスクをせずにある歩いてる人がいるとか・・・
自分でどうしようもないことについて
文句を言ってても精神衛生上よくないと考えているため
思い通りにならないことが多いですが、自分が今何をすべきかを考え
粛々と過ごしたいと思います。

 

 

(2021年05月発行)

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