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いより通信 vol.145 (2017年03月号)

プレミアムフライデーに思うこと

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。

大阪は寒さの峠は越えて、
1日1日と春らしさが増しているように感じます。
今月末には桜が咲き始めるんでしょうね。
1年が経つのは本当に早いです。

さて、2月24日(金)よりプレミアムフライデーが開始されました。
そもそもは消費喚起のために経済産業省が主体となって進めたものですが
長時間労働の抑制にも効果的だと受け止められています。

プレミアムフライデーは毎月月末の金曜日は15時に退社をして
ゆっくり食事を楽しんだり、ショッピングをしたり
いつもよりゆとりを持った週末を過ごしましょう、という意図だと考えます。

しかし営業時間が決まっている会社では全員への導入は難しいですし
こうした取組を積極的に取り入れようと考える会社でも
15時という本来であればであれば「早退扱い」になる時刻に
社員を退社させる・・となると、不就労時間に対する給料の支払いは
どうするのか、という問題が浮上していたようです。

15時に退社させた場合であっても
恩恵的に定時まで勤務したこととみなして
給料の減額なしで満額支払うという会社もあるでしょうが
これが毎月となり、従業員数も相当数となると会社の負担は相当重くなります。

なぜならば、社員が月末金曜日に早く帰るために
前日の木曜日に残業をした場合、
会社は残業代を支払った上で
金曜日の不就労時間についても給料を払うことになるからです。

さらに、多くの会社では全員が15時に退社するということは難しいでしょう。
そうなると、定時まで働く社員と早く帰る社員との処遇が同じというのは
どうなのか、と社内で不公平感が生まれてしまいます。

そこで多くの会社は、その日は年次有給休暇の半日取得の推進デーと
しているようです。15時からではなく、午後半休を
可能な人は取得するようにしてください、という取組です。
(会社が有休取得を強制することはできません。あくまでも取得の勧奨です)

プレミアムフライデーに賛同し、「働きやすい会社」をアピールしたい会社側としては
積極的に社員にに対して半休取得を促すでしょうが
私が社員の立場であれば、「有給は自分の好きなときに使いたいので置いておきたい」と
考えます。

「残業をせずに早く帰ろう」
「有給を取りやすくしよう」
「プライベートの時間を充実させよう」という
取組の目的自体はよいと考えます。

しかし、「ノー残業デー」の取組とは違い、
会社と社員が約束した労働条件の重要な項目である
「所定労働時間」について、消費喚起のための取組を理由に
短縮させる、というのは、すごく違和感を感じます。

プレミアムフライデーへの取組は法的に義務化されているわけではないですが
取り組んでいる会社がよい、そうではない会社は悪い、のように
色分けされてしまうようなことがあると、それは違うと言いたくなります。

現在、多くの会社は残業時間の削減にやっきになって取り組んでいます。
年次有給休暇の取得促進もやってます。
その上で、月末の金曜日に、例え2時間であっても不就労時間をつくるって
働く人にとっても大変なことであることを考えていただけたらいいな、と思う次第です。

 

 

3月給与の注意事項

1)3月分より健康保険料・介護保険料の保険料率が改定されています。3月末退職者の社会保険料2か月徴収の際、ご注意ください。

平成29年度保険料額表(協会けんぽ)

今月の気づき

大学院が休みに入ったので、2月はお客様の会社の就業規則の変更や賃金体系の見直し
久しぶりの東京出張など、かなり精力的に動きました。

予定外だったのは、職員さんがご家族も含めインフルエンザに罹患し
お休みをされたことです。

いつも事務所を支えてくださっている
大黒柱の職員さん不在でかなりピンチでした。

しかし、人である限り病気にもなります。
病気や家族の事情で働くことができないときもある前提で
それでも事務所の仕事が回るように仕組み化しなければ・・と
改めて感じました。

早速、「ひとりしかわからない仕事」を洗い出し
複数名ができるように3月・4月で取むことにしました。

お客様にご迷惑を掛けないように、
そして、職員さんご自身やご家族の病気のときに
安心して休んでもらえるように
体制を整えていきたいと考えます。

 

 

(2017年03月発行)

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