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いより通信 vol.121 (2015年03月号)

当たり前のことを当たり前に出来るすばらしさ

みなさん、こんにちは。
雨が降るたびに春が近づいている感じがする大阪です。

私の事務所は家賃と一緒に電気代を支払うようになっています。
今年の1月はお正月から休みなしで出勤し、足元が寒いので電気ストーブを
フル稼働させていたからか、2月請求の電気代が真夏を超えて
事務所に入居してから2年半で最高額でした。
早く本格的に春がきて電気代が安くなればよいなと思っています。

さて、3月、4月はお子さんをお持ちの方は卒業・入学で忙しい季節かと思います。
うちも息子が中学を卒業し、高校に入学、娘が高校を卒業し大学に入学、
そして私が大学院を修了ということで、卒業(修了)式が3回もあります(笑)

卒業(修了)式シリーズの第一弾が、高校生の娘の卒業式でした。
卒業式では、成績優秀者に加えて、皆勤賞の表彰がありました。
なんと!中学から6年間休まずに学校に通った子が115名の卒業生のうち2名もいました!

娘の学校は大阪市のど真ん中にある私立の学校なので「地元」から通っている子は
わずかでほとんど電車通学です。
小学校を卒業したばかりのときから、毎日電車に乗って遅刻もせず、早退もせずに
6年間学校に通っていた、ってすごくないですか?
親御さんの体調管理や声掛けもすごいです。

学生は学校に通って当たり前。時間を守るのが当たり前。という教育を
小さい頃からきちんとされていたのだなぁと思うと感動しました。

社労士という仕事をしていると、会社に来ない従業員さんの相談を多く受けます。
また給与計算を請け負っている会社の従業員さんの勤怠をみていても
休みがち、遅刻しがち、タイムカードを押し忘れているなどは、
特定の人に集中しているように感じます。

「小さい頃の親のしつけ」と言ってしまえば、今さらどうしようもないように感じますが
大人になっても意識を変えることで変わることができると信じています。
私自身は、6年間皆勤の生徒さんたちの背筋がピント伸びて誇らしげに立つ姿を見て
何が「当たり前」なのか、社会で背筋を伸ばして生きていくために
どんな姿が美しいのか、自分なりの基準をしっかり持って、妥協せずに王道を進む。
そんな人生を送りたいと改めて決意しました。

ちなみにうちの子ども達は親はまったく関与できておりませんが
この1年、息子は皆勤賞までカウントダウン、
(現時点までは皆勤で卒業式まであと10日くらいです)
娘は1日だけ休んだ日が私が学校を休ませて
連れて行った経営者メンバーとのバーベキューの日でした(笑)

私の例で言うと、「親はなくても子は育つ」と言いますか、
病気になっても親はいない、万が一ずる休みしても
自分で昼ご飯の準備をしなければならない、という危機感から、
「学校に行ってる方が楽しい」の状況をつくりだしたことが効を奏したようです。

ともあれ、当たり前のことを当たり前にやる、
さらにやり続けることは容易ではありません。
そういう人がいたら「がんばってるね」「いつもありがとう」など声をかけ
気づかない人にも気づいてもらえるような形にすれば、
会社全体のレベル感があがるのではないでしょうか。




 

3月給与の注意事項

1)平成27年度の健康保険料及び介護保険料の改定は4月分保険料(5月納付分)よりとなっています。3月保険料は従前額のままです。

■協会けんぽHP 平成27年度協会けんぽの保険料率


2)平成27年度の雇用保険料率は従前と同じです。

■厚生労働省HP 平成27年度雇用保険料率


3)3月給与の支払いが終わったら労働保険料集計の準備に入りましょう

今月の気づき

平成27年2月26日に、最高裁で、派遣社員に対する言葉のセクハラを行った
管理職に対する懲戒処分の相当性を争う裁判の判決が下されました。

■最高裁判所 HPより 判決文全文

具体的に何を言えばセクハラとされるのか、
もしセクハラがあった場合にどのような処分をすれば適正なのか、
会社ごとに規定も異なるでしょうし、法律に明記された
ハッキリとした線引きはありません。

今回のケースでは「会社が注意もせずに懲戒処分をしたことは不当であり
処分が重すぎる」とした従業員の主張に対して、
裁判所は「セクハラをしてはいけない、ということは
社員研修もされていて当たり前のことであるので、会社が改めて注意しなくとも、
ダメということは管理職であるし知っていて当然であるし、
そのことが従業員側に有利にしんしゃくされること(原審の判断)はない」
(井寄 意訳)として、会社が行った出勤停止および降格の処分は
相当であったとの判断を下しました。

私は平成21年から企業内でハラスメント防止研修をさせていただいております。
研修をさせていただいていて一番感じることは、個々人によって
「何がハラスメントとなるのか」の認識が違うということです。
残念ながら40代以上の男性の中には
「ハラスメント問題は職場のコミュニケーション不足が原因」と
言い切る人も多くいます。

しかし、この問題はハラスメントを受ける立場の人から考える必要があります。
自分の価値観だけが全てではないことを認識することからのスタートなのです。

私も40代ですので、自分が若いときに会社で当然に行われていたこと

・女性のみお茶当番がある。
・女性の事務スタッフは●●ちゃんと呼ばれる
・部内のカラオケではチークダンスがついてくる 

などは、それも仕事のうちだと割り切っていましたが今は、そうではありません。
(当時もかなりNGだったとは思いますが、20代のときに嫌だ、おかしい!と言い切る
自信もなかったですし、これまで当然に行われていたことを否定する勇気がありませんでした)

女性社員は、男性社員の母親でも奥さんでもコンパニオンでもありません。
仕事のパートナーとして接すべき存在なのです。
会社という小さなコミュニティの中でずっと過ごしていると
世間の「当たり前」の基準がずれてしまうことがあります。

冒頭にも書きましたが
何が当たり前なのかの基準を、世間の動向や常識を踏まえた上でしっかり持ち
世間から後ろ指をを指されない生き方をしていきたいですね。

今年は1月に大阪市いきいき財団主催のハラスメント対策セミナーの講師を
させていただき、そのときに受講者として来られていた企業から
早速社内研修のご依頼をいただきました。

当たり前のことを当たり前にできるようになるためには
繰り返し伝えていくことが必要です。

スケジュールの都合上 多くはお受けできませんが
ハラスメント研修にご興味がある場合は、
HPの問い合わせフォームよりお問い合わせくださいませ。

■いより事務所 問い合わせフォーム

 

(2015年03月発行)

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