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いより通信 vol.120 (2015年02月号)

ネガティブリストではなくポジティブリストでの労務管理を

みなさん、こんにちは。
寒い日が続きます。

おかげさまで修士論文は期日までに提出をすることができました。
提出期限当日の朝まで、編集作業をしておりましたが、
なんとか火事場の馬鹿力で強引にまとめることができました。
あとは今月中旬に予定されている口頭試問を乗り切るだけです。
2年間の大学院生活の総まとめとして悔いの残らないようやりきりたいと思います。

さて、先日、ハラスメント対策セミナーの講師をさせていただく機会がありました。
これまで企業内研修も含め何度もお話をさせていただいているテーマです。
ただ、これまでは、ハラスメントが発生した場合のリスク(裁判例の紹介)と
ハラスメントの定義と、ハラスメントとされる言動や行動の事例説明をし
「やってはいけないこと」の説明が中心でした。

でも、人というのは「禁止」を押しつけられるのはあまり心地よいものではありません。
話が進むに従って受講者の顔が暗くなっていくのを感じていました。

そこで今回は趣向を変えて、新ネタを入れてみました。
裁判例であるとか定義とか基本的なこともご説明した上で
安全な道を進む方法をお伝えしたのです。
すなわち「赤信号で横断歩道を渡ってはいけません」だけではなく
「青信号のときに横断歩道を渡りましょう」という内容です。

ハラスメントというのは、相手を人として尊ぶ気持ちが欠けるときに
発生するものだと考えています。
ハラスメント疑惑の特定の人を「やってはいけない」で叩くのではなく
社員全体の意識を改革し、「相手を認め、成長を助ける」風土をつくっていくことが
やるべきことなのではないでしょうか。

少し話がずれますが、就業規則を作成するときにも
「服務規律」などで「やってはいけないこと」を強化している会社ほど
トラブルが絶えないように感じます。
逆に言えば、トラブルが絶えないので規則で社員を縛る方法をとらなければ、と
考えられるのですが、就業規則を厳しくすることだけでは会社はよくなりません。

職場環境を悪くするのもよくするのも結局は人ありきなのです。
縛り付けられると人はそこから逃れたくなります。
それよりも、皆でその会社で働くことでなりたい自分を実現していく
共有できる目標を持って、会社もそのバックアップをしていくことにより
前向きの力が生まれてくるのではないでしょうか。

「やってはいけないこと」を伝えることも大事ですが
それ一辺倒ではなく、なりたい自分になるために
「やってみること」を皆で考え、それぞれが相手の成長を助けるような
会社つくりを目指したいですね。

 

 

2月給与の注意事項

1)4月給与の昇給査定に向けて準備をしましょう。

2)協会けんぽの保険料は4月保険料(5月納付分)から変更が予定されています。

協会けんぽからのお知らせ


 

今月の気づき

2年間の大学院生活がもうすぐ終わろうとしています。
講義は1月22日で終了したので、学校に時間を取られることなく
これからは職務だけに専念ができます。

私は社会人枠入試でしたが、講義は一般の学生さんと一緒だったので
昼間に開催される講義でした。
講義への出席の時間だけではなく、課題をやる時間、さらに課題をするために
資料を集める時間など、入学前に予想していた以上に時間が取られました。

でも学校という仕組みがすごいな、と思ったのは、毎週毎週勉強を続けることで
最初はちんぷんかんぷんだったことが、道筋が見えてくるんですね。
私は、社会人生活が長すぎて雑学が身につきすぎ、
それが理解をさまたげることも多くありましたが
基本的な道筋をつかむと、実務とコネクトさせて、
一気に理解が深まるということも体験しました。

学校というのは、自分が知らないことを勉強しにいくところだと思っていましたが
行ってみて感じたことは、自分の知らないことの多さに気づくところなんだ、
ということです。
知らないことは、勉強をすればするほど見えてきて、
あまりの自分の至らなさに愕然としますが
「足りない自分に向き合う」というよい経験をさせてもらったと感じています。

大人になると、ある程度うまく楽にやっていく方法を見つけていたりしますが
私は貧乏性なので、楽に手に入れることができるものは、
簡単に手許からなくなる、と考えています。
どんな環境に置かれても、自分の中にあるものは変わらない。
せっかくこの世に生を受けたので、今のこの命を使い切れるよう
今後も精進を重ねたいと思います。



 

(2015年02月発行)

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