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いより通信 vol.87 (2012年05月号)

パワハラ相談が増えているわけ

みなさん、こんにちは。
桜が咲いてから一気に暖かくなってきました。
私が仕事をしている大阪でも御堂筋のいちょうの新緑が
目にまぶしいです。
暖房も冷房も要らない気持ちのよい季節になってきましたね。

御堂筋 いちょう.jpg さて、先日から何件か続けて職場のパワハラについての
ご相談を受けました。
 

「パワハラ」は、社会問題にもなっていて
厚生労働省でも「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」を開催し
パワハラの定義付けと対策を協議しています。

会社員が元気だったバブル時代に新入社員だった私は
会社では怒られてナンボと思っていました。

家に帰って親に言っても
「あんたに給料に払ってるんやから、そらそれくらい怒られるわ」と
いなされていたものです。

私が会社員ではなくなって13年が経ちます。
当時と違い、やっても成果が出ない仕事が増え
人員は減らされて、仕事はあまりしていない(ように見える)けれども
人と人との潤滑油になるような立場の人がいなくなり
皆、自分のことだけで精一杯で他人のことを思いやる余裕がなくなっているんでしょうか。

さらに、「怒られてナンボ」の世界で育った我々以上の世代が管理職となり
モンスターペアレンツに守られながら大事に育てられてきた世代との
意識のギャップが存在しているということを認識しなければなりません。

パワハラと言われるのが嫌で、本来やるべき業務上の指導をすることにも躊躇してしまう、
という管理職からの相談もよくあります。

会社は仕事をする場所であり、そこで働く人は業務命令に従って仕事をすべきです。
それができていない人に対しては注意・指導はしなければなりません。

問題はその言い方にあります。
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉がありますが、まさにそのとおりで
やるべきことは、業務遂行上必要な指導であり、その人の人格を否定したり
人としての尊厳を傷つけるような言葉を発してはいけません。
要は、ムカっという気持ちを抑えて、余計なことを言わないように指導を行うということです。

そして会社としてやるべきことは、どういった行動、行為、言動がパワハラになるのか
(どういった行動、行為、言動はパワハラではなく、業務上必要な指導なのか)を
社員に知らしめ、パワハラが発生した場合のリスクを周知させるべきです。

社員アンケートを取ったり、研修を行う、相談窓口を設けるというのが
多くの企業が取られている対策です。

職場環境を整えることで、社員が安心して仕事に専念することができ
業績にもよい影響を与えると考えられます。
「パワハラって何やねん。そんなん言うてたら会社が回れへんわ」という考えは捨てて
ぜひ取組をはじめてくださいね。

 

 


 

5月給与の注意事項

労働保険年度更新の準備をしましょう。提出期限は6月1日から7月10日です。

*平成24年度年度更新の注意事項はこちら>>厚生労働省HP 労働保険年度更新にかかるお知らせ

今月の気づき

先日、キャリアコンサルタントをしている友人に誘われて
彼が講師をしている兵庫県立大学(旧 神戸商科大学)での社会人力養成ゼミ(通称SUNABA)に参加をさせていただきました。

講座はワークショップ形式で進められるもので、SUNABA(砂場)という通称が示すように
何をしなければいけない、どんな方法でしなければならない、という縛りはなく
ゼロから各々が自分の頭で考えて、提案をし議論を行うというものです。

自分の子どもと年齢が近い大学生と交流をさせてもらい、やさしくて他人に気遣いができる
彼らに感動しました。

バブル世代に就職活動をした私は「会社に入社できない」という前提もなかったですし
入社して、「給料が下がる」とか「会社がなくなる」とかも考えもつかなかったけれど
今の学生さんは多くの不安を抱えているんだろうなと感じました。

大人になった私ができること。
それは自分の子どもに対して、母として十分なことがしてあげられないけど
働いている母でしかできないことは何かとずっと考えていて
結論を出した答えと同じです。

「楽しく働いている大人の姿を見せること」だと思っています。
もちろん楽しいことばかりではなく、逆境にめげそうになることもあります。
でもつらいことばかりではないし、それらは乗り越えることができるんだ、という
将来図の一例を見てもらえればよいかなと思っています。

大学生は子どもでもなく、大人でもない不思議な世代です。
彼らの素直で繊細な気持ちに触れることで
ずいぶん大人になってしまい、自分が忘れかけていたピュアな気持ちを
思い出すことができました。

今後、こういった形で、若い人たちと接する機会をどんどん増やしていきたいです。
次の世代の人たちにも元気になってもらいたいので。

(2012年05月発行)

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