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いより通信 vol.64 (2010年06月号)

改正育児介護休業法施行

「イクメン」という言葉をご存知ですか?

育児に関わる男性を指す言葉のようです。

神戸では「こうべイクメン大賞2010」として全国からイクメンを募集し100人を「こうべイクメン」として認定してくれるイベントを6月20日の父の日に行うようです。

 

■こうべイクメン大賞2010
http://www.kobeikumen.com/

働く女性が増え、男性の育児参加は、少子化を防ぐ意味でも大歓迎。男性の育児参加を法律がバックアップするかのように平成22年6月30日から改正育児休業法が施行されます。

 

■主な改正内容は以下の通りです。

1)3歳までの子を養育している労働者が希望すれば短時間勤務制度(1日原則6時間勤務)を設けることが経営者の義務となります。

2)3歳までの子を養育する労働者が請求すれば、所定外労働(残業)が免除されます。

3)子の看護休暇が拡充。小学校就学前の子が2人以上居る場合は年10日の子の看護休暇を請求することができます。

4)父母ともに育児休業を取得する場合の休業可能期間が延長になり、子が1歳2か月に達するまで取得することが可能になります。

5)配偶者が専業主婦(夫)であったり、育児休業中である場合でも、育児休業の申し出が会った場合は、拒むことができなくなります。

6)労働者が申し出ることにより要介護状態の家族が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日、介護休暇を取得することができるようになります。(介護休業とは別枠)


私も14年前に娘を産んだときに、当時、勤務していた社歴100年の会社で初めて育児休業取得者となりました。育児休業を取ったのは3か月間でした。産前はギリギリまで仕事をしていたので産休と育児休業を合わせて6か月間の休暇でした。

会社から離れている半年間は社会復帰できるかどうか不安でいっぱいでした。会社の配慮で復帰後2か月は短時間勤務にしてもらい、その後、元のポジションに戻してもらったので、なんとか2人目の子を妊娠し退職するまでの2年間、子を育てながらがんばれたのだと思います。従業員100名程度の中小企業でここまで配慮してもらったことに本当に感謝しています。

現在、経営者の立場に立って、労務管理のお手伝いをするようになり、従業員50人以下の会社で産休・育児休業で休まれるというのは大変なことだと感じています。そもそも中小企業は、はギリギリの人材しか採用していないことや、業務の標準化ができておらず、その人がいなければわからない仕事が存在することが多いからです。

しかし、「うちの会社は産休も育児休業もないねん。子ができたら辞めてもらえるかな」は通用しません。産休・育児休業の取得の申し出を理由として、従業員に解雇を含む不利益な取り扱いをしてはならないことになっているからです。

そして法律改正後は、女性従業員だけではなく、奥さんが専業主婦である男性従業員も育児休業の取得を申し出てくる可能性があります。申し出られたら断ることはできないので、いつ誰が休んでも、退職しても業務が回るような仕組みをつくっておくことが大切です。

対策としては、業務マニュアルの作成、ジョブローテーションによる多能工の育成などが考えられます。営業職であれば、上司がたまには得意先回りに同行し、顔つなぎをしておく、内勤者であれば、課単位で他の人がやっている仕事内容も把握しておくなどです。

仕事調べをすることで、職能給を取り入れたり、人事評価制度の導入をする場合にも役立ちます。また残業が多い部署の業務を調べることで、特定の人に業務が集中していることなども見つけ出し、残業削減のための対策を打つことができます。

育児介護休業法の改正をきっかけに、仕事調べを行い、誰がいつ休んでもスムーズに業務が回る仕組みつくりにとりかかってみてください。

6月給与の注意事項

  1. 労働保険料の年度更新の受付が6月1日から始まります。申告期限は7月12日です。平成21年4月から平成22年3月までに支払われた賃金総額を計算して、雇用保険料・労災保険料を確定して申告をしてください。
    賃金総額には非課税交通費や休業手当も含まれます。労災保険料の計算にはアルバイトの賃金も含まれます。
  2. 6月給与の支払いが終わったら算定基礎届の作成をしてください。こちらも提出期限は7月12日です。算定すべき賃金には残業代や非課税交通費などすべての賃金が含まれます。
  3. 6月に健康保険の扶養調査が予定されています。パートに出ている奥さんの収入確認をしておいてください。健康保険の扶養家族に入ることができるのは月収10万8千円以下(60歳未満)の場合です。

今月の気づき

最近、勉強会で講師を頼まれる機会が増えました。以前は「改正労働基準法」であったり、「年金制度の概要」であったり、社労士関連のネタがほとんどだったのですが、最近はマルチタレント化したテーマが増えています。

例えば、「同時進行時間管理術」「士業のための顧客獲得術」「アウトプット読書術」「士業のためのツイッター活用法」など、ビジネス書の棚にあるようなネタがずらっと並んでいます。

私の経験や知識で次世代の方のお役に立つのであれば、と機会をいただいたからには一所懸命やらせてもらっています。講演の後の懇親会でご感想をいただくのがいつも楽しみです。

「士業のための顧客獲得術」は、現在執筆中の書籍の内容でもあります。独立して4年。回りの人の支えがあり、なんとかここまでやってきましたが、4年前はお客様がなくて、どうすればいいかと日々悩んでいました。

今は資格ブームで資格者がどんどん増えています。しかしお客様の数は不況の影響で少なくなっています。案件が来たとしても財布の紐が固くなっているので、同じ努力をしていても、収入は以前より少なくなっている人が多いように感じます。

「いよりさんっていつも楽しそうやね」とよく言われます。楽しく仕事ができる極意を本書でお伝えしたいと思います。7月出版予定でがんばっています。1冊目の本は上の娘の誕生日が発売日でした。3冊目の本は下の息子の誕生日(7月20日)が発売日になればいいなぁと思っています。

あと少し。引き続き応援いただきますようお願い申し上げます。

(2010年06月発行)

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