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いより通信 vol.58 (2009年12月号)

来春の労働基準法改正に向けて労働時間の見直しを行ないましょう

来春2009年4月1日施行で労働基準法が改正されます。

過重労働削減に向けて、1か月45時間を超える法定労働時間外労働については労使協定で割増賃金率について25%を上回るようにすることが努力義務として定められています。

また1か月60時間を超える法定労働時間外労働の割増賃金率は50%以上とすること(但し当面は大企業のみ)となります。

その他、労使協定で定めた場合は、年次有給休暇の時間付与を認めること、というのも改正点です。

□改正労働基準法詳細:厚生労働省HP
http://www.mhlw.go.jp/topics/2008/12/tp1216-1.html

中小企業で適用されるのは、1か月45時間を超える法定労働時間外残業がある場合に割増賃金率を25%を上回るように労使協定で定めること、という内容と年次有給休暇の時間付与をどうするか、という点です。

労使協定というのは、会社(使用者)と社員の過半数代表が書面で結ぶ協定のことです。過半数の社員が加入している労働組合がある場合は、労働組合と協定は結びます。

1か月45時間を超える法定労働時間外残業についての割増率のUPについては現時点では」「努力義務」ですので、労使協定で、「1か月45時間を超 える法定労働時間外労働に対する割増率は、25%とする」と定めておけば支障はありません。25%を下回る率とすることはできません。

年次有給休暇の時間付与については、導入する企業は労使協定を結ぶこととなっています。現実問題として時間単位の年次有給休暇の管理はかなりの手間がかかるかと思いますので従来通り、1日単位、もしくは半日単位で有休を付与する場合は、特に手続きは必要ありません。

今回、中小企業については1か月60時間を超える法定労働時間外労働の割増賃金率を50%以上にすること、は適用されませんが、一点注意点がありま す。中小企業であるのかないのかを判断する際の従業員数は、今回は事業所単位ではなく、会社全体でカウントされることとなっています。中小企業であるかど うかの判断は業種・資本金・従業員数で判断されます。詳細は上記厚生労働省HPで御確認ください。

法律改正を前にやっておかなければならないこと。まずは社員の残業時間数の正確な把握し、業務がどこで滞っているのかを適正に把握し、残業が常と なっている部署には人員を配置することが必要です。もしくは、職務分担の見直しを常に行なうこと。ダラダラ残業の風土がある会社は、残業をしない会社にし ていくこと。

今回の改正で大企業で残業の多い会社はかなりの人件費増になることが予想されます。来年4月の法律施行までに、残業を減らしていく工夫をしていきたいものですね。

12月給与の注意事項

  1. 年末調整を行ないましょう
  2. 賞与の支払い届の提出をお忘れなく。賞与の支給がない場合も「0」で届け出る必要があります。

今月の気づき

あっという間に12月。今年は出版に始まり、出版に終わった1年でした。4月に初めての本を上梓させていただき、出版記念パーティにはたくさんの方にお越しいただきました。

書籍を出版したことから、講演の依頼を多数いただき、5月から11月の7か月間に11回の講演をさせていただきました。本はおかげさまで発売後2か月で増刷になりました。

夏に2冊目の本の企画が通り、12月18日発売予定で、現在、最終の原稿チェックを行っています。書籍を通して、直接お目にかかったことのない方のお役にも立つことができ、本というメディアで情報を広く伝えることができるありがたさと責任の重さを痛感しています。

情報を発信すると、アンテナも広がり、より多くの情報を得ることができます。自分自身の器をより大きくして、お客様により喜んでいただけるよう引き 続き精進したいと考えています。書籍出版に際し、応援をいただいているみなさんには深く感謝しています。来年はさらに飛躍の年にしたいと考えていますので 引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

(2009年12月発行)

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