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いより通信 vol.32 (2007年10月号)

労働時間削減で100万円!!

こんにちは。社会保険労務士の井寄奈美です。
いつも大変御世話になり、ありがとうございます。

今年の暑い夏もやっと終焉を迎えたようで、先週くらいから少し涼しくなりました。
気候もよくなってきたことですし、年末に向けてバリバリ仕事したいと思います。

さて今年7月から「中小企業労働時間適正化助成金」なるものが創設されました。
長時間労働を削減し、過重労働が原因と言われる脳・心臓疾患、精神障害などを減らす、また少子化対策の一環として少しでも家族と過ごす時間を増やすことができるようにという目的です。
特別条項付き時間外協定を締結している中小事業主が「働き方改革プラン」を策定しプランに盛り込まれた内容を実施した場合に100万円が支給されます。

その内容とは・・

イ.次のいずれかの取組み

  1. 特別条項付き時間外労働協定の対象労働者を半分以上減少させること
  2. 割増賃金率の引き上げ(限度時間を超える時間外労働については35%以上増しに又は月80時間を超える時間外労働については50%以上増しに引き上げ)

ロ.次のいずれかの取組み

  1. 年次有給休暇の取得促進
  2. 休日労働の削減
  3. ノー残業デー等の設定

ハ.次のいずれかの取組み

  1. 業務の省力化に資する設備投資等の実施(300万円以上のものに限る)
  2. 新たな常用労働者の雇入れ

上記イからハのうちすべての項目でいずれかの取組みが必要です。

特別条項付き時間外協定というのは、1年単位の変形労働時間制を採用していない事業所では「月45時間」というのが時間外協定の締結の際の限度基準となっているのですが、但しどうしても臨時で緊急の業務の場合は(具体的な業務の記載が必要です)年の半分を超えない範囲で、事業所がその月の時間外労働の上限を決めることができるという制度です。

特別条項付きの時間外協定を提出している事業所は、労働時間が元々長い事業所です。
この助成金の申請先が「都道府県労働局労働基準部監督課」であることを考えると「働き方改革プラン」提出前もその後も割増賃金の支払い、労働時間の管理が適切にできている事業所さんだけが100万円にチャレンジすることができるのかなぁと考えます。
(当然調査の対象になりますよね!)詳しい内容は当職までお問い合わせください。

10月給与計算時の注意事項

  1. 社会保険料の算定基礎届の結果を確認しましょう。今月から変更になります。
  2. 厚生年金保険料率が改定になります。新保険料率 14.996%(労使折半)
    PDF新しい保険料率表はこちらです。(新規ウィンドウ)
  3. 今月から失業給付の受給資格要件が変更になります。原則12月以上の加入期間(1月11日以上)が必要になりますので退職者にはご説明下さい。

今月の気づき

8月の終わりから2週間に1回、東京で人事コンサルの研修を受講しています。出張に慣れていないので2週間に1回の東京-大阪間の移動は前後の仕事の段取りも大変ですし、体力的にきつい部分もありますが、研修自体も充実していますし(人事コンサルの内容だけではなく、コンサルタントとしてどうあるべきかという学びが大きいです)東京で色々な人にお会いできることがさらに大きな楽しみです。

先日も東京で出版プロデューサーの土井英司さんの出版戦略セミナーにさせていただいたのですが、著者の方もたくさん来られていました。参加者との交流ができることもセミナー参加の楽しみですね。同じセミナーを受講するという部分で自分と同じ目的や価値観を持った人が集まるので、お話をしていて参考になることが多いです。

人との出会いで学んだこと、仕入れたことはどんどんお客様やパートナーのみなさんにフィードバックしたいと思います。仕入れしたものはアウトプットが大切だと思いますので。どうぞお楽しみに。

(2007年10月発行)

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