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いより通信 vol.174 (2019年08月号)

退職者が続くときは業務のやり方を見直すチャンス

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。

今年は梅雨が短く
あっという間に本格的な夏が到来しました。

私が暮らしている大阪は朝の通勤ですでに
汗だくになる状況です。

つい先日、着ぐるみをきてダンスの練習をしていた
20代の男性が熱中症で亡くなる事件もありました。

従業員さんの暑さ対策と、体調を崩している場合に
無理をさせないことが大切です。

世の中、色々なタイプの人がいて
少しでも体調が悪いと、すぐに休んだり
大げさに騒ぎ立てるタイプと
自分で抱え込んで、周りにその様子を
気づかせないようにするタイプの人がいます。

後者の場合、様子が明らかにおかしいときは
本人が言わなくとも積極的に声をかけていくようにしましょう。

さて、先月号でも、人手不足で採用に悩む経営者の話をしましたが
人手不足となる原因である、退職者の多発についても
ご相談が多い事項です。

特に最近は、入社1年未満の退職者が多いように感じます。
新卒採用者については、同期が辞めると、引き続いて
バタバタ辞めて行く傾向にもあるようです。

働くということは、一定のストレスを抱えることです。
組織の一員としての働きを求められるだけではなく
「仕事」ですので、注意力と成果が求められます。

仕事というものはそういうものだと割り切ってしまえば
少しは楽になるのでは・・と人生の半分以上
社会人として過ごしてきた私はそう考えるのですが
なかなかそこにまで至らないのでしょう。

小さな会社の経営者は
余分な人員を雇う余裕はないので
1人1人が必要な人材です。
育成のために、若干の余裕はもって
採用しているとしても、退職が続くと
一気に人員不足となります。

業務をこなすためには一定数の人手が必要なので
焦って、採用をして、また辞めて行く、続かないとなると
残っている従業員も不安に感じることになります。

そうしたときに、一旦考え方を変えて
退職を採用で埋めるのかどうかを
再検討されるのはいかがでしょうか。

・業務量自体を減らす
・直接雇用以外で人手を確保する
・ITに投資する
・人手に依存しない業務形態への変更

などが考えられるのではないでしょうか。

人員を一定数抱えていると、人員を養うだけの
業務量を抱えることが必要になります。

人員が減っているということは、考え方によっては
身軽になり、新しいことにチャレンジするチャンスであると
言えます。

今後、労働力人口は減る一方です。
人手に頼るビジネスモデルの見直しのよいチャンスだと考え
今、いる従業員の知恵も借りて、より収益性の高い
ビジネスモデルに切り替え、少人数で、より短い時間で
より稼ぐことができる業態を目指していかれるのはいかがでしょう。

よい方向に向かっていれば
従業員も定着し、採用もしやすくなると考えます。

発想の転換、大事です。
そして、生き残るためは知恵を絞り
自分だけではなく仲間の知恵を借り
当事者として巻き込むことが大切です。

ピンチはチャンスです。
気持ちを強くもって乗り切りましょう。
 

 



 

8月給与の注意事項

10月より最低賃金が改定になる予定です。今年も昨年並みの上昇額が見込まれます。
パート従業員の時間給の見直しと、固定残業代込みで給料を決めている場合、
固定残業代以外の賃金(家族手当・通勤手当・皆勤手当は含まれません)で
最低賃金割れとならないか確認をしてください。
今から準備を始めましょう。

参考)厚生労働省「令和元年度地域別最低賃金額改定の目安について」
 

夏季休暇のお知らせ

令和元年8月10日(土)から15日(金)まで夏季休暇をいただきます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

今月の気づき

お世話になっている経営者の方が本を出されました。

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『どんな肉でも旨くする?サカエヤ新保吉伸の全仕事』

(世界文化社 1,500円+税)
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著者は南草津でサカエヤさんという精肉店と
セジールというレストランを経営されている新保吉伸さんです。

先日、NHKプロフェッショナルにも出演されたので
ご記憶にある方もおられるかと思います。

新保社長とは10年以上のお付き合いになります。
私が社労士になったばかりの頃、講師をさせていただいた
中小企業の経営者が集まる勉強会で初めてお目にかかりました。

私は、そのまま、勉強会のメンバーに入れていただき
新保社長をはじめ経営者のみなさんとは座学の研修だけではなく
国内外の工場視察や、お食事会、ランニング、座禅断食など、
たくさんの時間を一緒に過ごさせていただきました。

新保社長は、過去はBSE問題で苦しい時代もあったようですが
それをご自身の知恵と行動力で乗り越えられ
強い信念を持ってお仕事をされていました。

2008年、私が初めて本を出したときのパーティで
新保社長から「念ずれば花開く」という言葉をいただきました。
社労士として駆け出しの頃から見ていただいていたので
口には出されませんが、ずっと見守ってくださっていたんだなと
とてもうれしかったです。

新保社長は、これまで生産者の方や料理人の方を
陰から支えてこられました。

私が出版したときとは違い、十分に実績がある中で
周りからぜひにと求められてのご出版です。

新保社長のお肉に対する想いと
その生き方に触れることができる内容です。

お肉やお料理のカラー写真がたくさん入っていて
目でも楽しむことができる本です。

ぜひみなさまもお読みいただければうれしいです。

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『どんな肉でも旨くする?サカエヤ新保吉伸の全仕事』
(世界文化社、1,500円+税)
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(2019年08月発行)

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