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いより通信 vol.105 (2013年11月号)

ダンダリンなんて恐くない!

みなさん、こんにちは。
日々、日没の時間が早くなり
帰宅をせかされているように感じるのは
私だけでしょうか。

毎年12月は気付いたら、忘年会の連続で
途中で体調をくずし、約束をキャンセルしていくという
パターンに陥っています。

「今年こそは無理な約束はしないでおこう」と
毎年思うのですが、「これ一つくらい入れても大丈夫だろう」が
積み重なって、結果、こなしきれなくなっています。

「その言葉(忘年会を入れすぎない)は毎年聞いてるで」と
周りからはよく言われますが、今年こそ!予定表を埋めないことを
目標に自制したいと思います。

さて、10月から放映が開始された労働基準監督官を取り扱ったドラマ
『ダンダリン』をご覧になっていらっしゃいますでしょうか。

正義感あふれる女性監督官 段田 凜が悪徳企業と戦うドラマです。
経営者の中には、「従業員の権利意識を煽るような内容は止めてほしい」と
言われる方もいるようですが、ドラマなのでかなりの誇張があり
監督官ってあんなに働かないでしょ、と、労働基準監督署で
1年間相談員をしていた私は思うのであります。

労働基準監督官に正義感がない、とは言いませんが
ドラマにもたびたび出てくるように、監督官である前に役所の人間であることは
否めない事実だと感じています。

経営者が恐れるのであれば、労働基準監督官ではなく
そういったところに駆け込んでいく従業員だと思います。

ただ、何もなければ従業員が監督署に駆け込むということもないので
その原因をつくっているのは実は経営者自身なのではないでしょうか。

今、執筆している本にも書いている内容ですが
経営者に求められることはまずは従業員との約束を守ることです。
週休2日の約束で労働契約を結んでいるのに、ほとんど休めない。
9時から17時までの勤務で月額20万円の給料という約束をしているのに
17時以降仕事をしていても、給料はそのままである、など
「最初に聞いてた話と違う」となると、不信感が募り、やがて不満が爆発し
労働基準監督署に相談に行くなど、実際に行動を起こすようになるのです。

最初に「残業があることや休日出勤があること」を伝えられないのは
言うとせっかく採用した社員が辞めてしまう、と思うのか、それとも
残業代を請求されると困ると思うのかいずれなんでしょうか。

もし、一定時間の残業が常に見込まれる仕事で、その残業代も込みでの
総額での給料の提示であれば、最初にその旨をきちんと伝えるべきです。

最初の段階でそれを伝えておくと、少なくとも「聞いていた話と違う」ということは
なくなります。
その約束をしていく中で、労働基準法を知っておく必要があります。
2014年 年初に発売予定で、「経営者が後で泣きをみない約束の仕方」を
絶賛執筆中ですので、どうぞお楽しみに。

知るべきことを知り、やるべきことをやっていれば
労働基準監督署は恐れるに足りずです。
ビクビクしながら経営するのは止めて、正々堂々とお天道様が当たる道を歩いていきましょう。

11月給与の注意事項

1)平成25年度 地域別最低賃金が出そろいました。確認をお願いします。

■厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧

2)年末調整の準備をしましょう。

■国税庁 平成25年分年末調整の仕方

今月の気づき

9月の最終週から大学院の後期の授業が始まりました。
執筆もあり、本業もいっぱいいっぱいですので
後期は授業を間引いて受講をしています。

前期との最大の違いは、レポート作成の際の資料を探す時間が
大幅に短縮できたことです。
何事も「初めて」というのは大変で、時間をかけて学習していくものなのだなぁと
思っています。

これまで「学問」として「法律」を学んだことがなかったので
結構とまどうことも多く、しかし、先生方が親身になってご指導くださるので
どこの世界でも「その道のプロ」というのは、すごいなと感じています。
自分が物事を知っているだけではなく、相手にわかる伝え方をすること、
さらに先生の場合は、学生が自分で答えにいきつくように導くという指導を
されています。

我々、コンサルタントの仕事も共通することがあります。
自分だけがわかっていてもダメで、実行するのはお客様である
経営者の皆様ですので、みなさんの腹にストンと落ちるようなアドバイスを
目標にしたいと思います。

日々学びであり、大学に行くたびに、お客様や職員さん、家族の協力で
大学院で学習する時間を持つことができたことのありがたみをかみしめています。

限られた時間ですのでせいいっぱい学び、お客様や社会にとって
より必要とされる人間になりたいと思います。

(2013年11月発行)

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