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いより通信 vol.89 (2012年07月号)

「当たり前」を伝える工夫をしよう

みなさん、こんにちは。
社労士の井寄です。

7月に入りましたが、まだクーラーなしで生活をしています。
今年は関西はかなりの節電をしなければならないようで
計画停電の予定表を見せられると、今年の夏、本当に無事に
乗り切ることができるのだろうか、と心配しております。

さて、6月25日に発売となりました
拙著『残業ゼロ!ミスゼロ!の給与計算事務』ですが
みなさんの応援も得て、店頭でもネット書店でも動きがあるようです。

ありがとうございます!

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(写真は6月23日に仙台駅前の丸善書店さんで撮影をさせていただいたものです)


書店で拙著を手にしてくださったみなさんが
ブログやフェイスブックでご紹介をくださるのですが
発売日から1週間、アマゾンではずっと在庫切れの状態でした。

発売前に予約を入れてくださっていた方の手元には、
発売日の頃にお手元に届いたようなのですが
発売日以降に他の方の推薦を見てアマゾンで購入してくださった方は、
すでに発送まで5日~7日となっていて申し訳なかったです。

これまでの4冊の本では、発売早々アマゾンで1週間も在庫切れ
ということはありませんでした。
なぜ今回はそういうことが起こったのでしょう。

その原因が今までの本よりも爆発的に売れたんだとうれしいですが、
アマゾンのランキングを見ている限り
そんなことはないと推察されます。

今回は事前予約のお願いもしておりませんでしたし、
むしろ近くの書店さんでの購入をお願いしていたので
そんなに大量に発注が集中したとは考えられません。

ではなぜなのか。
今回は初めて今までお世話になっていた出版社さんではない版元で
出版させていただきました。
推察ですが、士業の方で本の販促をガンガンかける人って多分限られていて
普通は緩やかに売れていくという形なんだと思います。

今までお世話になっていた出版社さんでは、
私が販促をガンガンするタイプだとご存じだったので
あらかじめネット書店の在庫も厚めに入れてくださっていたに違いありません。
(これまでの著書も順当に在庫補充をしてくださっているので
在庫切れになることは今でもありません)

今回のことで学んだことは、自分にとって当たり前のこと、
「今までそうだったのは見たらわかるでしょ」ということは
必ずしも他人には伝わっていないということです。

今回であれば事前に、発売日後はネットで販促をかけること、
そしてネットで紹介をしてくださる方も多いので
アマゾンに在庫を多めに入れて欲しいことを
出版社さんに伝えるべきであったと反省をしています。

先日、韓国に進出をされた製造業の会社見学に行ってきたのですが
現地の企業と仕事をするにあたり、
日本人だったら「当たり前」と考える価値観が
現地の人にとっては当たり前ではないので、
まずは「なぜそうするか」の価値観の摺り合わせをすること、
さらに伝えるべきことをできるだけ細分化して、
ひとつずつ伝えながら前に進むことが大事だと学びました。

異文化の人と仕事をするときだけではなく、
自分以外の人とは価値観や考え方、
「当たり前」の基準が違うものだと認識し、
「こんなことくらい言わなくてもわかるだろう」という先入観を捨て、
自分が求める結果を得るために伝える方法を考えていきたいものです。

引き続き10月に発売予定の新刊の執筆をしています。
次も新しい出版社さんなので、今回の悔しさをバネに「伝える工夫」をしたいと思います。

7月給与の注意事項

1)算定基礎届・労働保険料年度更新・労働保険料一期分の納付・特例の場合の源泉所得税の納付期限はすべて7月10日です。

2)賞与の支払いがある場合は、賞与支払い届の提出もお忘れなく。前回の冬期賞与のときと雇用保険料率と健康保険料率・介護保険料率が変更になっていますので要注意です!

 

今月の気づき

社会保険労務士の登録をしている職員さんが来てくださって1年が経過しました。
思い起こせば昨年のお正月から半年間は、未経験の方を採用してみたり、
トライアンドエラーで事務の仕事が落ち着かず、出張もできず、
本の執筆もできない状態が続いていました。

今年は社労士の資格を持つ職員さんが、助成金申請・給与計算・
社会保険手続き・年度更新・算定基礎届の作成も
すべてやってくださっているので、私は相談業務に集中することができ、
出張もいつでも行くことができ、さらに本の執筆にも時間を取ることができます。


さらに、昨年までと違うことは、私が独立してから、
忙しいときだけ不定期にお手伝いをしてもらっていた
会計事務所勤務時代の同僚に、定期的に来てもらうようにしたことです。

彼女は週2日勤務で常勤ではありませんが、
社労士の資格を持つスタッフが2人いることで
チェック体制も整えることができましたし、
私の頭の中だけでわかっていることが減ったように感じます。

雇用が安定し、スタッフの稼働日数が増えたことで
当事務所の労働保険料の支払いが増えました。
支払いが増えることは事務所が成長しているのだと思い、
手許のお金がなくなる苦しさに耐えることにしています(笑)

現在の業務量であれば、必死にやったら自分一人でもギリギリこなすことができるかもしれません。
最近読んだ 税理士の吉澤 大先生の著書『社長のお金の残し方』にも、
手許のお金を残すには「収入を増やす」「支出を減らす」「寝ている資金を減らす」ことだと書いてありました。

人を雇うということは「支出を増やす」ことになるので手許のお金が減る構造になります。
しかし「収入を増やす」ためには、私自身がギリギリで仕事をしていてはいけないと思っています。
「ギリギリ」だということはのびしろがないということです。
「守り」だけに入っているといつの間にか時代に取り残されることになるでしょう。

職員さんが安定しているということは、将来に向けての事業展開も考えることができます。
この調子で下半期もがんばっていきたいと思います。
 

(2012年07月発行)

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