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いより通信 vol.72 (2011年02月号)

士業の求められる資質とは

みなさん、こんにちは
今年は寒い日が続きます。
インフルエンザに家族がかかってしまった、なんて声もチラホラ聞きます。
外出から戻ったときの手洗い・うがいを忘れないようにしたいですね。

さて、みなさんが我々のような士業に仕事を依頼するとき、どんな基準で選びますか?
そもそも士業に仕事を依頼しようと思うきっかけは、「自分で調べると面倒だし、間違えたときの修正が大変。それならばお金を支払っても専門家に相談をしよう」と考えられるのでは、と思います。

私もこの時期は毎年税理士さんにお世話になっています。確定申告があるからです。6年前に開業登録をした時点(年商 15万円!)のときからお願い していました。その理由は最初から正しい方法でやっておくことで、売上が大きくなったときに慌てなくても済むと考えたからです。

私がお願いした税理士さんは会計事務所で勤務していたときの同僚です。人柄もよくわかっていたので、安心してお願いすることができました。

しかし知り合いに専門家がいない場合、どんな基準で選べばいいのでしょうか。
資格を持っていればできる仕事は大差はないと私は考えています。
違いがあるとすれば、「スタンス」だと思います。依頼された仕事を法律に沿って淡々とこなしていくのか、もしくは少し踏み込んでお客様にコンサルティングまで行うのか、ということです。

法律スレスレのことを相談されたときに、お客様の希望に叶うように尽力するのもひとつのサービスかもしれませんが、私は必ずしもそうではない、と考えています。

我々は経営者が何か決断をするときに、リスクはどれだけあるのかを示すことができるかどうかでその力量が試されます。ある選択をすることで起こりうるデメリットの方が大きければ、お客様を止めることこそが我々の重要な役割なのです。

さらに、私が気をつけていることは決して同業者の悪口を言わないことです。私は、顧問社労士を変えたいというお客様から契約をいただくことが実はか なりあります。もしくは手続き業務だけをやってもらう顧問社労士はいるけれども、労務関係の相談だけ私に依頼したいというお客様もあります。

お客様が以前に契約していた社労士であったり、手続き業務だけの社労士の話が引き合いに出ることも多々ありますが、私は決して他の社労士のやり方を批判はしません。それぞれのやり方や得意分野があるからです。

さらに、社労士という仕事に誇りを持っているので、同業者を批判することは自分の仕事を批判するのと同じだとも考えています。

あくまでも私の価値観ですが、専門家を選ぶときには、次の3点をチェックするようにしています。

  1. 投げかけた問題に対してどれだけの答えを提示してくれるか
  2. 耳の痛いことも言ってくれるかどうか 
  3. 他者を貶めるような発言はないかどうか

専門家は外部ブレーンとして必要な存在です。誰と組むかで、自社の事業が発展するかどうかが変わります。目先のキレイごとの言葉にだまされず、本質を見極めるようにしたいですね。
また、選ばれる立場としては、本業に対して真摯に取り組むことや、人として恥ずかしくない生き方をする、ということを心がけて、どんな時代でも通じるホンモノをめざしたいと思います。

2月給与の注意事項

平成23年4月から定年後の継続雇用の対象者の基準について、労使協定の締結が必要になります。就業規則のみで条件を定めている会社については労使協定を結ぶようにしましょう。
その際、育児介護関係の協定書の見直しも行いましょう。昨年6月に育児介護休業法が改正になり労使協定で対象除外にできる対象者が変更になっています。

今月の気づき

今月から新しい職員さんが来てくれています。まだ20代で社労士業務は未経験ですが、電話の応対など一所懸命やっているのがお客様にも伝わり、好評 を得ております。私が未経験の彼女の採用を決めたのも、その姿勢の素直さと前向きさに惹かれ、業務はいずれ覚えてくれるだろうという気持ちからでした。
前向きに一所懸命にやる姿を見ると、周りの人も応援してあげようという気持ちになりますよね。私も彼女からチャレンジする気持ちを学びたいと思っています。

現在4冊目の本の原稿を書いています。お客様から相談が多い「給料の決め方」について書いています。今回も経営者の方からお話をお聞きしたのです が、みなさん、給料をどんどん支払うことには抵抗はないんですよね。むしろどんどん給料を上げてあげたい、しかし、その分は働いてほしい、というところが 本音のようです。
経営者も納得し、社員も納得して仕事をする給料の決め方はあるのか。給料制度をさわるときの注意点なども併せてお伝えできればと思いますのでお楽しみに。

(2011年02月発行)

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