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いより通信 vol.55 (2009年09月号)

長引く不況を乗り切るために

景気は底を打った、と新聞紙上には書かれていますが、みなさんの会社はいかがですか?これから年末にかけて2番底がやってくる、と警戒されている経営者も多いようです。

従業員の雇用や賃金については聖域と考えられているため、よっぽどのことがなければ手をつけられない部分ではありますが、「よっぽどのこと」になっている会社の経営者は、早めの決断が必要です。

人員整理や賃金カットを行うことで間違いなく従業員のモチベーションは下がります。作業効率や営業成績が下がるようなことがあれば、せっかく苦渋の決断をしたのに元も子もありません。

そのようなことにならないためには、何のために人員整理や賃金カットを行うのか、経営者の思いを従業員にねばり強く伝えることが必要です。

小さな子どもが保育所に預けられ、他のみんなは家族が迎えにきているのに、自分だけお迎えが来ないとき、その子は泣きながら親の迎えを待っているでしょうか。
この場面はリアルで何度も経験していますが、子どもはひとりでも機嫌よく遊んでいます。もちろん保育士さんが相手をしてくれているからでもありますが、子どもは親が迎えに来てくれることを確信しているので、ひとりになっても泣かずに待っているのです。

このように人間は将来に希望があれば、多少の現状の困難は我慢ができるものです。ですのでやむをえず、従業員の雇用調整や賃金カットを行う場合は、実施期間を決め、会社の目標を示してください。そして目標達成のためのシナリオを経営者が描き、経営幹部に具体的に指示を行ない、目標達成した場合に従業員が得ることのできるメリットを伝え、約束をすることが大事です。

経営者のミッションは「会社を存続させること」です。会社を存続させるためには決断の時期を見誤ってはいけません。
人員整理や賃金カットを行う場合、慎重な対応が必要です。後で大きなトラブルにならないように早い段階で私達専門家にご相談ください。

9月給与の注意事項

  1. 9月から厚生年金保険料の料率が変更になっています。
       旧 15.35/100(全額:労使折半) →新 15.704/100(全額:労使折半)
  2. 9月から協会けんぽの健康保険料率が変更になっています。今年度から都道府県ごとに保険料率が異なります。保険料率は健康保険に加入している都道府県の協会けんぽのHPで御確認ください。http://www.kyoukaikenpo.or.jp/8,0,120.html
  3. 算定基礎届の結果通知書を確認の上、9月保険料からの標準報酬月額を変更してください。

今月の気づき

お盆明けに2冊目の本の企画が通りました。2冊目の本も1冊目の本と同じく日本実業出版社さんでお世話になります。
7月から8月の上旬にかけて、中小企業100社の経営者にアンケート調査を依頼しました。うち14社に面談をお願いし、遠くは福井まで行って来ました。経営者会報ブログの会員の経営者のみなさんには、快く面談にご協力をいただき感謝しています。

2冊目の本も中小企業の経営者向けの内容です。まだ詳細は発表できませんが、時事ネタでもありますので大急ぎで書いています。目標は9月15日までに最後まで一通り書き終える予定。その素材を編集者さんと一緒に調理をしていきたいと思います。

1冊目の『小さな会社の<トクする>人の雇い方・給料の払い方』同様みなさんに応援していただけるような本を書きますので、引き続きよろしくお願いします。

(2009年09月発行)

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