社会保険労務士になったきっかけ

伝統ある企業で社会人として育ててもらいました。

私は大学卒業後、大阪船場にある繊維の専門商社に女性総合職の第一期生として入社しました。当時はバブル期で、就労意識が限りなくゼロに近かった私でも就職ができ、そして創業100年を超える伝統ある企業で社会人として育ててもらいました。

当時の仕事は企画営業職でした。営業職といってもルートセールスでしたので、すでに信頼関係ができているお客様を担当させていただき、じっくりと話をして商談を進めるというスタンスでした。

社会人になりたての私はお客様とのやりとりを通じて社会の厳しさも、人の役に立つことができる喜びも教えてもらったと思います。

育児を機に退職をし専業主婦に。

就職をした当時は就労意識もかなり低く、休日と給料日を指折り数えて待っているような状態でした。有休消化率もかなり高かったと記憶しています。しかしアシスタントを卒業し、自分の担当先を持たせてもらい、お客様との信頼関係もできてきて売り上げが上がるようになると仕事が楽しくて仕方がなくなりました。

とはいえ、古い体質の会社でしたので、女性は結婚をして退職をするという暗黙のルールがありました。しかし私は在職中に結婚をしたのですが会社は辞めませんでした。さらに第1子出産の際には会社で初めての育児休業取得者となりました。

育児休業から復帰したのですが、子どもが熱を出したり、保育所のお迎えの時間があったりで出産前と同じように仕事をすることが難しくなりました。自分はやる気があるのに、自分以外の原因(この場合は子ども)で100%の仕事ができないジレンマに悩み、第2子妊娠を機に退職を決意しました。

退職後、初めての専業主婦になりました。アルバムの整理や押し入れの片付けなど会社員時代にやりたくてもできなかったことをやっていったのですが、あっという間にそれらの仕事は終わり、時間をもてあますようになりました。

会社にいるときはあれだけ人に必要とされていたのに、家に入ったときから自分は社会から疎外されているように感じました。 「他人に必要とされる仕事がしたい」そう考えて、第2子出産後、再就職をしたのが、司法書士事務所のパート職員でした。

「他人に必要とされる仕事がしたい」と考え再就職。

司法書士事務所での仕事はハローワークで見つけたのですが、当時は資格には全く興味はありませんでした。「とりあえずの社会復帰」をめざして、自宅から通いやすい場所にある勤務先を選んだに過ぎなかったのです。

しかし、ここでの仕事が社会保険労務士受験のきっかけになったのです。私は勉強が好きで会社員の頃も何かずっと勉強を続けたい、そしてできれば自分の知識で仕事をしてみたいと漠然と考えていました。

士業の仕事というのは、まず元手がいらない。そして在庫を持たない仕事であること。そして依頼者に感謝をされて、報酬をいただける、とても素晴らしい仕事だと感じました。

司法書士を受験するという選択肢もありましたが、超難関資格であることと、業務の内容から考えて、育児休業などをサポートすることができる社会保険労務士の資格を取ることにしたのです。

毎日かかさず3時間の勉強、そして社労士試験に合格。

資格を取ると決めてすぐに受験専門校に通うことを決め、毎週土曜日に受験対策講座を
受講し、毎日1時間でも必ず勉強を続けることを自分に課しました。
当時子どもは1歳と4歳。彼らが寝静まったあと毎日22時~25時まで
3時間の勉強を続けました。

法学部出身でもない私が受験を決めてから
わずか半年の勉強で合格することができたのは、
一緒に資格学校に通っていた司法書士事務所の
同僚のおかげだと感謝しています。
資格は違いましたが目標に向けて必死になる思いは
同じでしたので。

社労士試験合格後も、
勤務させてもらった会計事務所で実務経験を
積ませてもらったり、会計事務所退職後も、
労働基準監督署で、同僚である労働基準監督官に
労働基準法の解釈について教えていただけたり、
周りの人に恵まれて独立開業することができました。

お世話になったみなさんに恩返しをするという
意味でも今の仕事で一人でも多くの方の
お役に立ちたいですし、仕事を増やして、
税金を支払い、雇用も増やしていきたいと考えています。

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