
せっかく育てた従業員が退職となると、経営者としては気持ちが沈んでしまいますが、現在は転職が当たり前になっているので、ここは人の入れ替わりが出来たと、前向きにとらえて、退職手続きについては、スムーズに気持ちよく行いましょう。辞めた従業員が今後取引先になるということもあります。トラブルのないように手続きを進めることが大切です。
従業員からの申出の場合、退職届を提出してもらいましょう。
会社でフォームを作成し、そこに署名捺印をしてもらう方法もあります。
事後の無用のトラブルを避けるために口頭ではなく書面で残しておきましょう。
その際にいつ付けで退職なのかをきちんと書いてもらいましょう。
引継ぎのこともあるので、自己都合退職の場合はいつまでに申出をしなければならないのかを
決めておく必要があります。通常は1ヶ月〜2ヶ月前としている会社が多いようです。
従業員から返してもらうものは、健康保険証、社員証(発行している場合)、パソコン、制服等の貸与物などです。
給与については、通常の締め日、支払日に合わせて精算ができます。給与計算期間の途中で退職する場合の日割計算の方法を決めておきましょう。通常は入社の際の日割計算と同じになります。
前貸し金のある場合、最初に「支払い満了までに退職をした場合は退職時に一括で残金を支払う」旨の誓約書を取っておくことをおすすめします。
退職日以降に社会保険事務所には健康保険証を添付して、「資格喪失届」を提出します。また離職証明書を作成し、ハローワークにも届出をする必要があります。
ハローワークで手続き後、離職票-1、-2を離職者に送付してください。
あとは源泉徴収票と社会保険の資格喪失証明を離職者に送付してください。
すぐに就職されない場合は健康保険の任意継続(2ヶ月以上勤務していた従業員のみ対象)の書類も私は一緒に送っています。
退職時送付書類チェックリストを作成するか、送付物の案内の雛形を作成しておけば、そのチェックリストもしくは送付物の案内を見れば、送付漏れがないかどうか確認することができます。
会社から従業員に退職を依頼する場合、大きく分けると2通りの方法があります。
一つは「退職勧奨」です。まさしく「退職の依頼」で、なんらかの理由で雇用の継続が困難になったと経営者が判断したので、従業員に理由を説明して、あくまでもご本人の意思で退職願を出してもらうという方法です。この場合退職理由は「自己都合」ではなく「会社からの退職勧奨」になります。従業員が承認しなければもちろん効力は発生しません。会社からの退職勧奨の場合、通常は退職金の上乗せであるとかなんらかの会社からの譲歩があるのが通常です。
執拗な退職勧奨は「いじめ、いやがらせ」となり、トラブル発生の原因となりますので慎重に行いましょう。
「退職勧奨」が従業員の意思を尊重する方法であれば、もうひとつの「解雇」は経営者の意思のみで従業員の意思は全く関係ありません。経営者が「解雇」を申し渡せば、雇用契約は終了します。
但し経営者の解雇権については、労働基準法でたくさんの縛りがあります。まず理由がないと解雇はできません。労働基準法第18条2項に『解雇は客観的・合理的理由があり、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となる』といった定めがあります。
どんなときに解雇になるのかについては、就業規則もしくは雇用契約書に記載をしておく必要があります。
また解雇をする場合には30日前までの予告が必要(労働基準法第20条)であるとか、産前産後休業中などの解雇ができない期間(同第19条)の定めがあります。
その他男女雇用機会均等法、育児介護休業法、労働組合法にも解雇の制限の規定があります。
解雇については労働相談で最も多い内容であり、それだけトラブルも多いということです。
判例等も調べ、慎重に周到に準備をした上で決断されることをおすすめします。
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