
まずは労働条件を書いた労働条件通知書もしくは雇用契約書を従業員と手交してください。
特に期間の定めのある労働契約(いわゆる契約社員)の場合、雇用期間を書いた雇用契約書は必須です。
週20時間以上の勤務で1年以上の雇用が見込まれる場合は雇用保険に加入する必要があります。
厚生年金・健康保険については正社員の場合は強制適用で、アルバイト・パート・契約社員の場合は、正社員のおおよそ4分の3以上の労働日数、労働時間がある場合は加入の必要があります。(週30時間以上の勤務で週4日以上の勤務の人が対象の目安)
いずれも試用期間を含めて入社日から加入する必要があります。
雇用保険の加入の手続きは入社日の属する月の翌月10日まで、厚生年金、健康保険については入社後10日以内に手続きをする必要があります。
入社の際に従業員から年金手帳及び雇用保険被保険者証を預かり、基礎年金番号及び雇用保険被保険者番号を確認しましょう。
被扶養配偶者がいる場合は配偶者の年金手帳も必要になります。
入社の際に従業員に提出してもらう書類としては、次のようなものが考えられます。
2の賃金台帳の整備については労働基準法第108条、3の労働者名簿については労働基準法第107条に定めがあります。
1 出勤簿もしくはタイムカードについては、労働基準法第108条の賃金台帳に記入すべき内容の中に「労働日」「労働時間」が含まれていることから、経営者はなんらかの方法で労働時間の管理を適正に行わなければなりません。
上記3点セットは、社会保険や雇用保険、労災保険の手続きを行う際や、労働基準監督署や社会保険事務所の調査の時に必ず必要になるものです。普段からきちんと整備を行うとともに、労働者名簿については個人情報保護の観点からきちんと保管をしましょう。
入社の際に預かった履歴書や、雇用保険の書類などと一緒に個人ごとにフォルダーを作って管理をすると便利です。また住所変更などがあったときには会社にきちんと連絡をしてもらうようにして情報は常にアップデートするようにしましょう。
給与については締め日と支払日をきちんと定めて、最初に雇用契約を結ぶ場合に明示しなければなりません。給与計算の途中で入社した場合の日割計算の方法についても労働日数でカウントするのか暦日でカウントをするのかを定めておく必要があります。
もちろん、当初試用期間中は時間給でという方法も可能です。但しその場合は正社員で求人を出している場合、「試用中については時給」ということを明記する必要がありますし、面談の際にもきちんと説明をしておいてください。
お給料を決める際に最初に注意しなければならないのは、最低賃金の確認です。最低賃金を下回る給与で人を使うことはできません。たとえ本人が申し出たとしても、最低賃金以上の給与を経営者は支払う義務があります。
最低賃金は都道府県別、産業別で定められています。毎年秋に見直しがありますので、常にチェックすることが必要です。都道府県労働局賃金課に問い合わせるか、都道府県労働局のHPで調べることができます。
同業他社の給与の動向を調べるためには、政府の行っている統計調査も参考にすることができます。
お給料の支払いについては、労働基準法第24条に賃金支払いに関する5原則というものがあります。違反しないように留意してください。
2の全額払いについてですが、社会保険料、源泉所得税、住民税などを除いては、会社は勝手に従業員さんのお給料から控除をしてはいけません。社内の懇親会費などの積み立てを行う場合は従業員さんの代表と書面で協定を結んだ上で、初めて控除ができます。お給料の前貸し金なども勝手に控除することはできません。前貸し金の返済については、個別に従業員の同意を得て、できれば返済方法について書面で残しておく方がいいでしょう。
4の一定期日にお給料を支払うということですが、給与支払日が休日だった場合の支払日も事前に決めておきましょう。通常は先に支払う会社がほとんどですが、後でも構いません。会社のルールを定めて、それに従って処理をするようにしましょう。
お給料の構成ですが、最低賃金がクリアできていれば、どのような構成で支払うのかは会社が決めることができます。基本給だけの会社もあります。通勤手当については、支払いの限度額を会社で決めることができます。「月額〇万円まで」と決めることもできますし、「通勤手当はなし」と決めることもできます。但し求人の際に通勤手当のない会社というのは人が集まりにくいのでその点を考慮する必要があります。
扶養家族がいる場合の家族手当や本人が世帯主である場合等に支給される住宅手当なども、会社で決めることができます。これらの手当を必ず支給しなければならないことはありません。むしろ最近の傾向としては、本来の業務には関係のない、家族手当や住宅手当は支給しない傾向にあります。その原資を仕事の能力に応じて配分するというやり方が増えています。
どちらにせよ、会社で給与の内訳についてはルールをつくり、人によって支給基準が違うということがないように注意しましょう。
給与ソフトを使用しない場合、お給料計算の際に必要なものは下記3点です。
A)まず支給総額の中の課税部分と非課税部分(通勤交通費)を分けます。
B)社会保険料の計算をします。健康保険・厚生年金保険料については、当初は社会保険に加入したときに届出をしたお給料の金額から決定した標準報酬月額から保険料を当てはめます。2の保険料額表を確認しましょう。40歳以上の従業員については介護保険料も徴収する必要があります。雇用保険料については、給与支給総額に従業員が負担する雇用保険料率を掛けて計算してください。
C)A)の支給総額の課税部分から(B)の社会保険料の合計を差し引きます。その額を1の源泉徴収税額表にあてはめ、従業員の扶養家族の数を(C)で確認し、源泉所得税額を確定させます。
D)支給総額から(B)で計算した社会保険料と(C)で計算した源泉所得税を差し引きます。
E)住民税を特別徴収している場合や会社での積立金などがある場合はそこからさらに差し引きます。
お給料は雇用契約の中で一番重要なポイントです。1円でも間違いのないように、慎重に計算をしてください。給与ソフトを使用する場合は、保険料率の設定(保険料率が変更になる場合は、データの更新が必要です)と従業員の個別データの入力(扶養家族、生年月日等)の間違いがないように確認することが大切です。給与ソフトのメンテナンスをするのはやはり担当者になりますので、給与ソフトにまかせきりにすると間違いが発生しますので注意しましょう。
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